【ソウル聯合ニュース】韓国の康京和(カン・ギョンファ)外交部長官が12月中に就任後初めて日本を訪問する方向で韓日両国が調整している。外交消息筋が1日伝えた。

 消息筋によると、康長官は11月29日に日本の河野太郎外相と電話で約20分間会談した際、同日未明にあった北朝鮮の弾道ミサイル発射に関する状況を確認し合うとともに、自身の訪日についても意見交換し、詳細な日程を外交当局間で調整することで一致したという。

 康長官は6月の就任以降、朝鮮半島を取り巻く4大国(米国・中国・日本・ロシア)のうち米国、ロシア、中国の順で各国を訪れたが、日本はまだ訪問していない。

 康長官が訪日すれば、韓日外相会談で歴史問題と外交・安全保障・経済・文化などでの協力とを切り離して考える「ツートラック外交」を基に多様な懸案について議論が行われる見通しだ。

 特に北朝鮮が新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)級「火星15」を発射したことで北朝鮮核問題が深刻化しており、対北朝鮮連携は重要な議題になるとみられる。

 また韓国外交部がTF(タスクフォース、作業部会)を設置して検証を進めている旧日本軍慰安婦問題を巡る2015年末の両国合意や、同年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界文化遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産」で朝鮮半島出身者らの強制労働があった事実を説明するとの約束を日本が履行していない問題など、歴史問題についても協議が行われる見通しだ。

 両国首脳による「シャトル外交」の再開についても実質的な意見交換が行われるとみられる。

 両外相は8月から9月にかけ、第三国で開かれた多国間会議や国連総会などを機にこれまで3回会談を行っている。