リッチな気分になれる満足度の高いサービスは、必ずしも金額に比例しない。つまり、サービスを吟味すれば、たとえ年収300万円の人でも、実質的には年収600万円の生活をすることができる。短期連載「『金持ち生活』超入門」。第3回は旅行の選び方について――。(全4回)

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金持ち生活超入門

▼旅行

「Airbnb」、“区立”ホテルオークラ、カウチサーフィン
 

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■10泊すれば1泊無料。出張を使い尽くせ!

旅行は、日々の仕事から解放されてリラックスできる瞬間でもあるのだから、「もったいない」とケチってはいけない。工夫次第で安く旅をする方法はたくさんある。商社勤務で出張が多いという坂根さんは、予約の際にHotels.comという予約サイトを利用している。

「必ずHotels.comで予約するのは、Hotels.com Rewardsがあるからです。これは、対象のホテルに10泊すると1泊分の無料宿泊特典がもらえる制度。10泊分の部屋料金の平均金額のホテルにしか泊まれないので、豪華な旅行というわけにはいかないけど、世界中に対象ホテルがあるから重宝しています」

「同じ部署には、東横INNクラブカードを作り、出張のたびにポイントを貯めている人もいます。10泊で1枚もらえるシングル無料宿泊券はプライベートで使えるし、カードを作ることでチェックインが楽になるメリットもあるとか」

仕事上、こういった工夫ができない場合は、「Airbnb」を使って民泊する手もある。日本では、法整備が民泊を受け入れるのに追い付いていない段階で、まだ問題もあるが、全世界で200万件以上の宿泊先が登録されているのでユーザーとしての使い勝手はいい。そして、もちろんホテルよりも安い。

実際、筆者も昨年インド旅行をした際に利用したが、5人でリゾート地の豪華な一軒家を借り、1人2500円程度で宿泊することができた。基本的には誰かの家なのでキッチンもついているし、冷蔵庫もある。滞在先での食費を安く済ませる意味でも最高だ。

それでも高いと感じる人には「カウチサーフィン」がおすすめだ。こちらは、世界中の旅行先で無料で泊めてくれる人を探すサイト。世界に200万人以上のユーザーがいる。特に欧米人に人気で、ヨーロッパの若者の多くが一度は利用したことがあるサービスなのだという。女性が一人で利用するのには少し不安があるが、「Safety Features」という項目を設定することで、信用度の高いホストを探すこともできる。ただし、現地の人の家に泊まるので、日常会話レベルの英語力は必須と考えたほうがいいだろう。

■“ホテルオークラ”並みで1泊7000円

国内なら、自治体管轄の宿は概して宿泊費が手頃だ。江戸川区の「ホテルシーサイド江戸川」はその好例。葛西臨海公園内にあり、ハードは公共の宿なのだが、ホテルを運営している“ソフト”の部分はあのホテルオークラというのがすごい。丁寧なサービスで知られ、企業研修等にもよく利用されているという。そんなホテルに1人7000円ほど(1室3〜4名利用時)で宿泊できるというのは、宿泊価格高騰の今、非常にありがたい。

また、葛西臨海公園駅は舞浜の隣駅だ。京都市在住の尾河さんは、かつてディズニーランドに行くときに宿泊したホテルシーサイド江戸川の感想を聞かせてくれた。

「東京ディズニーシー・ホテルミラコスタに泊まれば、最低でも1人2万円程度かかります。それがホテルシーサイド江戸川なら3分の1程度で済む。なのに“ホテルオークラ”の名前がバックにあるから、妻もすごく喜んでくれました。人って名前に弱いんですよ」

(ライター 大高 志帆)