猛者揃いのミドル級で成り上がれるか…米専門サイト「ゴロフキンこそ本物の王者」

 ボクシングのWBA世界ミドル級タイトルマッチ12回戦で、悲願の王者に輝いたロンドン五輪金メダリストの同級1位・村田諒太(帝拳)。次は、今後のマッチメイクに注目が集まるが、ミドル級はWBA世界スーパー王者、ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)ら猛者揃い。海外メディアは、頂点を狙う強力な挑戦者たちから「破壊されてしまう可能性がある」と厳しい評価を下しているが、日本人王者は“世界の目”を覆せるか。

 圧巻の強さでアッサン・エンダム(フランス)との因縁の対決に決着をつけた村田。念願のチャンピオンに輝き、次戦に注目が集まる中、米専門サイト「ボクシングニュース24」は、実力者揃いのミドル級で日本人王者の現在地について「ムラタは今、WBA世界ミドル級王者となったが、WBAの160パウンドの世界でメインの王者ではない」と分析している。

「このタイトルはWBAミドル級世界スーパー王者のベルトを保持するゲンナジー・GGG・ゴロフキンのものだ。いうならば、ムラタは少し小さいベルトを保持したことになる。そして、彼(ゴロフキン)こそが本物のチャンピオンと認識されている。諸所の事情でWBAには160パウンドにゴロフキンとムラタという2人の王者がいる」

 記事はWBAに君臨する絶対王者ゴロフキンの存在に注目。37勝1分けでIBF、WBA、WBCの統一王者でもある怪物は、米ボクシング誌「ザ・リング」が全17カテゴリーのボクサーを比較する「パウンド・フォー・パウンド(PFP)」の格付けで1位にランクされている。

 しかし、ミドル級にはゴロフキン以外も猛者が群雄割拠。9月にゴロフキンと引き分けたPFP6位のカネロ・アルバレス(メキシコ)もその一人だが、他にも危険な存在がいるという。

ミドル級戦線で厳しい評価「ムラタより遥かに優れたファイターが存在する」

「160パウンドの階級にはリョウタ・ムラタよりも間違いなく遥かに優れたファイターが存在する」と記し、WBC同級1位のジャーモール・チャーロ(米国)、元WBA世界ミドル級王者のダニエル・ジェイコブス(米国)、「テクニシャン」と評されるセルゲイ・デレビヤンチェンコ(ウクライナ)を列挙した。

「彼らと比べるとムラタはカモだ。彼らはカネロやゴロフキンもかなりの苦戦を余儀なくされるタフなファイトをするだろう」と、現時点では村田が不利と言及。「ムラタはこれらのファイターたち全員に破壊される可能性もある」と辛口な評価を下している。

 リング誌によるミドル級格付けでは、カネロが王者、ゴロフキンが1位、ジェイコブスは2位、デレビヤンチェンコは5位。それに続き、村田が8位、チャーロが9位。7位のエンダムを倒し、村田のランクに変動はあるかもしれないが、タレントがひしめくミドル級の充実は相当なものがある。

 特集では「この階級の頂点はゴロフキンだ」と結論づけている。宿敵をエンダムを倒したが、まだまだ猛者がひしめくミドル級。しかし、あらゆる困難を覆し、新王者となった最強の日本人なら海外の厳しい視線も跳ね返してくれるはずだ。

 すべての評価を覆し、リング上で村田が世界を驚かす日が待ち遠しい。