[キリンチャレンジカップ2017]日本 2-1 ニュージーランド/10月6日/豊田スタジアム
 
 前半の35分だった。左サイドで武藤嘉紀が相手に削られて倒れる。レフェリーは笛を吹かず試合はそのまま続いたが、ニュージーランドの選手がそれに気付き、センターサークル付近からボールをサイドラインに蹴った。一度、試合を切ろうとしたわけだ。
 
 するとヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、なんとサイドラインを越えてピッチに入りボールを蹴り返した。その後も身振り手振りを交えながら激昂していた。
 
 試合後の会見でこのシーンを問われた指揮官は、まずこんな冗談を飛ばした。
 
「私のテクニックを見せたいと思ったのだ(笑)。なかなか良かっただろ?(笑)」

 そして、その真意をこう続けた。
 
「ウチの選手(武藤)が怪我をしているかもしれないのに、レフェリーが試合を止めなかったことに苛立ちがあった。監督はときにフラストレーションが溜まり、良くないことをしてしまうことがある。あの後、第4審判に謝ったよ。でも、グラウンダーのボールが蹴れることを見せたかったのは本当さ(笑)」
 
 幸いにも、この日主審を務めたリョウ・コクブン氏(香港)は、ハリルホジッチ監督に何の処分も与えなかった。しかし、プレーが続いている状態にもかかわらず、指揮官が無断でピッチに足を踏み入れたのだ。これが親善試合ではなく公式戦で、レフェリーが厳格なタイプならば、退席処分を食らっても不思議ではない愚行である。冗談で済まされる話ではない。
 
「選手たちに気合いを注入したかった」、「親善試合だからやった」という言い訳をされたとしても、とても褒められたパフォーマンスではない。
 
 ロシア・ワールドカップでは絶対に控えてもらいたい、ハリルホジッチ監督の“乱入キック”だった。
 
取材・文:白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)
 
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