2017年の総選挙で4位にランクインし、AKB48グループの “新エース” として存在感を示した宮脇咲良クン。HKT48デビュー以前は、地元・鹿児島のミュージカル教室に通い、子役として劇団四季の舞台『ライオン・キング』に出演した経験もある。

「劇団四季では、舞台に立つ者として大人のキャストたちと同じように扱われ、プロ意識を徹底して叩き込まれました。そこで学んだことはHKT48に入ってからも役立っています」

 可憐なルックスとアイドルらしい振舞いでファンの心を摑み、いまや人気、実力ともにトップクラス。だが、デビューから現在までの道のりはけっして平坦ではなかった。

「HKT48のお披露目の日、センターに選ばれたのは違うコでした。デビューシングルのセンターに選ばれたのも加入したばかりの後輩でした。当時の私は『センター以外はやる意味がない』とさえ思っていたんです。恥ずかしい話ですが、貪欲さ丸出しで、自分のことしか考えていませんでした」

 2016年、AKB48のデビュー10周年記念シングルで初の単独センターに抜擢。プレッシャーと戦いながら大役を果たし、ひと回り大きく成長した。

「心にゆとりを持って活動できるようになりました。HKT48の新曲『キスは待つしかないのでしょうか?』では、後輩メンバーがセンターに立ちます。

 以前の私だったら『センターより目立ってやるぞ!』と意気込んでいたけど、今は『つらいことはないかな?』って気遣えるようになり、『そばで支えたい』と思えるようになりました」

 同シングルは、19歳の女子大生クリエイターがミュージックビデオの監督を務めたことでも話題だ。

「監督さんとは同い年ですが、『絶対にこう撮りたい』という信念があり、撮影現場で大人のスタッフの方々に指示を出す姿がカッコよかったです。同世代の活躍を間近で見て、私もジャンルにとらわれず、いろんなことにチャレンジしたいと思いました」

 歌や演技だけでなく、さまざまな表現に興味があるという。なかでも「文章を書くことが好き」と目を輝かせるが、プロデューサーの秋元康氏も、彼女の非凡な文才には一目置いている。

「小学生のころからいろんな物語を書きためているんです。悲しいことがあると、その気持ちを昇華させるために書くんですけど、サラリーマンが主人公のストーリーなどフィクションの形をとっています。

 恥ずかしくて誰にも読ませたことはありませんが、いつか形になったらいいな。好きな作家は、湊かなえさんや東野圭吾さん。人間の内面にひそむ闇を描いた作品が好きです」

 真面目で堅実な優等生タイプに見えるが、「自分の人生も小説みたいに波瀾万丈がいい」と微笑む。

「人生の波に翻弄されて、どん底も頂点もどっちも味わってみたい。毎日同じことを繰り返すのが性格的に合ってないみたいで。だから、日々いろんなことを経験できるアイドルは、自分に向いているなって思います。

 ただ、 『20歳を超えると途端に体力が落ちるよ』ってメンバーが言うんです。それを聞いて焦っているので、体力があるうちに、なんでもやっておきたいです」

 そんな咲良クンも2018年、20歳に。節目の年を飾るべく、総選挙では頂点に立つことを目標に掲げる。

「初めて本気で1位を狙える場所に来ることができたと思います。とはいえ、(松井)珠理奈さんの壁は高いし、おぎゆか(荻野由佳・NGT48)も下から来ているので、どうなるのか……。

 でも、さっしー(指原莉乃)が三連覇した王座を、来年もHKT48が守りたい。『博多が獲った旗は、博多が引き継ぐ』というスローガンを掲げ、総選挙の歴史に新たな1ページを加えられるように頑張りたいです。

 ただ、今から総選挙のことを考えると潰れちゃうので、明日のことだけ考えます(笑)」

みやわきさくら
19歳 1998年3月19日生まれ 鹿児島県出身 HKT48チームKIV(副キャプテン)、AKB48チームA所属 ニックネーム:さくら 2017年の選抜総選挙で第4位にランクインした博多のエース。HKT48最新シングル『キスは待つしかないのでしょうか?』発売中
(週刊FLASH 2017年8月15日号)