現地時間7月18日に柴崎岳の獲得を発表したヘタフェ。昨シーズン、柴崎が所属していたテネリフェとの昇格プレーオフ決勝を制し、最短の1年でリーガ・エスパニョーラ1部復帰を果たした彼らだが、はたしてその戦いぶりは、スペイン人ジャーナリストの目に、どのように映っていたのだろうか。
 
 長年に渡って『ワールドサッカーダイジェスト』でコラムを連載するヘスス・スアレス記者は、今は亡きヨハン・クライフの“ドリームチーム”に多大な影響を受け、スペクタクルなフットボールをこよなく愛するジャーナリストだ。
 
 よって、ボールプレーを放棄した守備的なスタイルに対してはかなり辛辣なのだが――欧州王者のレアル・マドリーでさえ容赦なく批判した――、昨シーズンのヘタフェも例外ではなかったようだ。
 
「反則ぎりぎりの荒っぽいプレーで、容赦なく圧力を掛ける。その開き直ったかのような戦いぶりには、ときに目を背けたくなることもあった」
 
 もっとも、「2部には2部の戦い方がある」ことも、彼は理解している。実際、綺麗なフットボールにこだわり過ぎて、1部昇格という唯一にして最大の目標を達成できなかったクラブは、過去に少なくないのだ。スアレス氏はこうも評している。
 
「最後まで勝負を捨てない粘り強さは特筆に値した」
 
 テネリフェとのプレーオフ決勝も、アウェーの第1戦を落としながら、ホームで3-1の勝利。逆転で死闘を制している。
 
 ヘタフェを昇格に導いた立役者として、スアレス氏はふたりの名前を挙げている。
 
「昨シーズン途中から指揮を執ったホセ・ボルダラス監督は、これまで異なる3クラブを1部に引き上げた、いわば“昇格請負人”。この下部リーグでの戦い方を熟知する指揮官と、(昨季22得点を挙げた)ホルヘ・モリーナという老練なストライカーの存在が、彼らのアドバンテージとなった」
 
 新シーズンに向けては、柴崎の他に、ベティスからDFブルーノ・ゴンサレス、2部のサラゴサからFWアンヘル・ロドリゲスらを獲得したヘタフェだが、その陣容に今のところ大きな変化はない。大半が格上となる1部では、堅守速攻のスタイルにより拍車が掛かるだろう。
 
 しかし、泥臭さだけでは、1部で生き残れない。例えば、ラス・パルマスは独自のパスサッカーを追求し、2年連続で残留を勝ち取っているし、昨シーズン、昇格組ながら9位に躍進し、コパ・デル・レイでは準優勝という快挙を演じたアラベスには、マルコス・ジョレンテ(新シーズンはレアル・マドリーにレンタルバック)という若くて優秀なプレーメーカーがいた。
 
 昨シーズンは縦一本だったテネリフェのフットボールを変えた柴崎が、スアレス記者の言う「目を背けたくなるような」ヘタフェに“違い”をもたらせるか、注目したい。
 
文:ワールドサッカーダイジェスト編集部
 

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