4回で10奪三振&3被弾は過去100年で初、乱調に「今まで目にしたことがなかったもの」

 ヤンキース田中将大投手は17日(日本時間18日)、敵地でのアスレチックス戦に先発し、4回8安打5失点の乱調で7敗目(5勝)を喫した。4イニングで今季2度目の2桁三振を奪いながら、先頭打者弾を含む3本塁打を浴びた投球について、MLB公式サイトではヤンキース史上初の“珍記録”だったと紹介。ジョー・ジラルディ監督は田中の武器だった「修正力」の欠如を指摘している。ヤンキースは2-5で敗れ、今季最長の連敗は「5」に伸びた。

 82球で降板し、自己ワーストの6連敗を喫した田中はヤンキースの歴史にその名を刻んでしまった。

「田中は4イニング以下で10三振を奪ったヤンキース史上最初のピッチャーになった。彼は少なくとも(過去)100年間で、1試合10三振を奪って3本以上の本塁打を浴び、4イニング以下しかもたなかった唯一の選手となった」

 MLB公式サイトはこのように紹介。三振の山を築く一方、深刻な一発病に苦しみ、4回でマウンドを降りた田中はヤンキースの歴史に“珍記録”を残すことになった。

 ジラルディ監督はエースの乱調ぶりを「これは我々が今まで目にしたことがなかったものだ。過去3年間、彼は本当に優秀だった。自己修正能力も素晴らしかった。どんな理由であろうと、彼は今季それができずにいる。しかし、また自分の仕事をしなければいけない」と嘆いたという。

嘆き節も信頼示す指揮官「彼の3年間の仕事を私は見てきている」

 その一方、女房役のオースティン・ロマイン捕手は田中の二面性を指摘。記事によると、試合後に「相手はこの試合で初球攻撃を仕掛けてきた。そこで、ホームランを打たれたけれど、3者連続三振に仕留めた。良い面と悪い面があった。奇妙だけれど、やり続けなければいけない」と振り返っている。

 初回に先頭打者ジョイスに初球をライトスタンドに運ばれたが、その後は3連続三振。初回をわずか12球で切り抜けながら、田中はその後も“被弾癖”に苦しめられた。

 昨年までは試合中の修正力の高さを指揮官から絶賛されてきたが、過去7試合先発では0勝6敗。33回1/3で、防御率8.92、15被本塁打とスランプに陥っていることも、記事では指摘している。

「彼がこれを乗り越えて、かつての安定性を取り戻すことを願うしかない。出だしは最高と言えなかった。そこから落ち着きを取り戻したかのように見えたが、それができなかった」

「これが野球の一部だ。少しばかり調子の悪い選手はどんな時でもチームにいるものだ。私は彼を信じている。彼の3年間の仕事を私は見てきている。我々は彼の準備を進めさせて、投げさせるだけだ」

 ジラルディ監督は嘆きの声を上げながらも、乱調の田中に対する信頼を改めて示した。エースとして、この言葉に応えることができるだろうか。