シャープの公式ツイッターアカウントが2017年6月9日、賞与(ボーナス)が月収の何か月分にあたるのかを計算した結果を公表し、注目を集めている。

16年8月に台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業に買収され、経営再建中のシャープ。企業アカウントツイッターのパイオニア的存在として人気を集め、企業ブランディングに貢献したとの声もある「中の人」への支給額はいかほどなのか――

シャープ社長「最少1か月・最大8か月の『信賞必罰』」

シャープの公式ツイッターアカウントは9日夕、

「3ヶ月前の約束を果たす時がきた」
「このニュースが報じられた時に約束した『お前はいったい何ヶ月分なのか問題』ですが、私もさっき知ったので公表しますね」

と続けて投稿。「このニュース」とは、鴻海から派遣された戴正呉社長が3月13日に開いた記者会見で17年度の賞与について「信賞必罰」を掲げ、業績への貢献度に応じて、個々の支給額を年間で最少1か月から最大8か月まで幅を持たせると発表したことを指す。同アカウントでは

「私が何ヶ月分だったか、わかり次第、公表しますね」(3月14日)

と宣言していた。「ボーナス公開」を約束した当時から、「楽しみにしてます」「気になる」と注目を集めていた。

そしてこの度、シャープ公式アカウントは支給されたボーナス額について、

「2.69ヶ月分でした」

と投稿し、約束を果たした。確かにツイートに添えられた写真の電卓(シャープ製)には、2.696969640...と数字が表示されている。

この支給額についてツイッター上には、

「やけにリアルな数字......」
「会社にかなり貢献してるのになぁ。少ないと思います」

と予想よりも少額とする声がある一方で、

「少なくとも私の会社よりボーナスの支払いが良い事だけは間違いねぇです、流石大企業SHARP」
「わたしも2.69ヶ月分のボーナスが欲しいです」

と羨ましがる声も寄せられ、反応は様々だ。ちなみに、シャープが16年6月に公開した有価証券報告書によると、社員の16年3月末時点の平均年収は633万7000円。

シャープ公式ツイッターはボーナスについて、

「夢があるのかないのか、景気がいいのか悪いのか、なんともよくわからない世の中ですが、あるだけマシというしょっぱい空気が、ここ数年の私にはしっくりきます」

と率直な感想も漏らしている。

買収後、コストカットで3期ぶり営業黒字

11年ごろから業績不振に陥り、一時は「倒産危機」との声も聞かれたシャープは、鴻海による買収を経て戴正呉社長のもとで経営再建を本格化させている。

17年4月28日に発表した17年3月期連結決算では、物流の効率化や原材料調達の見直しなどのコスト削減策などによって、営業利益が624億円と3期ぶりの営業黒字となり、前期の1619億円の赤字から改善した。同決算での最終損益は248億円で3期連続の赤字となったが、前期の2559億円の赤字からは大幅に縮小している。また、5月に発表した18年3月期の連結業績予想では、営業利益は前期比44%増の900億円、最終損益は590億円と4期ぶりの黒字を見込んでいる。今後の業績によっては、「冬のボーナス」で「中の人」への支給額が増える可能性もありそうだ。