吉野家が、デリバリーサービスに本格参入する。といっても、マクドナルドが数年前に開始したような、「自店舗に自前のデリバリースタッフと配達車を置く」という方式ではない。夢の街創造委員会社が運営するシェアリングデリバリーサービス「出前館」に参入する、という形によってである。

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 出前館の「シェアリングデリバリー」は、飲食店と、配達機能を持つ拠点(新聞販売店ASAなど。シェアデリ拠点と呼ばれる)がそれぞれに出前館に加盟することによって機能する。

 注文そのものは、インターネット上のサイトである「出前館」が受け付ける。これは、全国共通のネットであり、出前館は独自のデータベースによって、日本国内あらゆるエリアの、自サービス加盟店のマップを持っており、顧客は、住所を登録するだけで、自分のいるエリアと現在時刻における配達可能店舗の一覧を確認することができる。

 実際に注文が入ると、店舗は指定時間で調理を行い、シェアデリ拠点はバイクと配達員を使って、その商品の配達を行う。

 つまり、出前館に加盟する飲食店にとっては、新たに配達員を雇用するなどの導入コストを負担することなくデリバリーサービスを開始できるというメリットがあり、配達機能を既に持つ事業者にとっては、注文の安定的な増加が見込めるわけである。

 ちなみに「吉野家」の参入は、2017年3月、恵比寿駅前店をテスト店舗として暫定的に開始された。結果は極めて好調で、想定をはるかに超える注文を受けることができたという。

 今月からは、さらに東京・千葉などの7つの店舗がシェアリングデリバリーに加入する。

 なお、出前館はシェアデリ拠点を随時拡大予定で、3年内200拠点を目指しており、それに伴って吉野家の参入店も随時増加していく見込みであるという。