年収1000万円なのに、家計は火の車。毎月の赤字分をボーナスで補てんしているため、貯金はほとんどなし。このままだと、子どもの学費も老後の生活も赤信号。そんな人が意外と多いと言います。

どんな浪費家かと思いきや、ごく普通のご家庭の話だとか。いったい、どうしてそんな事態に陥ってしまったのでしょうか。

実際に赤字家計簿を覗いてみると、原因は複数ありました。十分なシミュレーションをしないまま、「なんとなく払えるだろう」で組まれた住宅ローン、数年間もプランを見直していないため膨れ上がった通信費、健康のためと言いながら実際は不必要なスポーツクラブ……。そこで、節約に詳しいファイナンシャルプランナーのアドバイスをもとに、住宅ローンの借り換え、格安スマホへの切り替え、電力会社やスポーツクラブのプラン変更などを実行したところ、家計は見事黒字に転換。一時は家の売却も考えるほど追い込まれていた一家でしたが、順調に貯金も増え、明るい未来が見えてきたそうです。

この話、対岸の火事ではありません。普通に「都内にマンション」を購入し、普通に「子どもに中学受験」をさせ、普通に「月に数回、家族で外食」をしていたら、どんなご家庭にも起こりうる話なのです。

5月22日発売の「プレジデント」誌では、「解明! 実物家計簿 年収1000万円父さんがなぜ、ビンボーか」と題し、高収入なのに毎月赤字で、貯金がほとんど貯まらないご家庭の懐事情を大公開。黒字化に成功するまでの軌跡を追っています。特に今回は、「住居」「レジャー」「教育」「生命保険」「介護」といった身近なテーマにスポットを当て、実際に赤字で苦しんでいた30〜50代のご家庭の家計簿を参考に、ファイナンシャルプランナーの方に、改善策をお伺いしました。

前出の住宅ローンの借り換え、電力会社の変更に加え、子どもの学費の捻出方法、生命保険の見直し、かさむ外食代の抑え方、親の介護費の負担を減らす方法など、目からウロコの改善策がたくさんありました。

取材した私も、早速、電力会社やスマホキャリアの変更、不要な生命保険や通っていないスポーツクラブの解約などを検討したところ、月3万円ほど支出を抑えられることが判明。浮いたお金は老後資金に充てようと、目下、手続きを進めているところです。

年金受給までの18年間、月3万円でもコツコツ貯めたら648万円。うまく複利がつけば800万円近くになるかもしれません。改めて、小さな無駄を省くことの大事さを教えられました。

お子さまの将来や、退職後の生活に不安を感じていらっしゃる方、介護費用に負担を感じておられる方、ぜひ発売中のプレジデント2017年6月12日号の特集「お金に困らない生き方 2017」をお読みになってみてください。家計のスリム化に役立つ情報がきっとあると思います。記事を通じて、皆様の不安やご心配を少しでも解消できたら幸甚でございます。

(プレジデント編集部 高嶋 ちほ子)