ご承知のように、欧州には各国リーグの優劣を順位化したランキング(UEFAカントリーランキング)が存在する。チャンピオンズリーグ(CL)、ヨーロッパリーグ(EL)の過去5年間の戦績をデータ化したもので、その順位にしたがって、それぞれの出場枠は決定される。

 16−17シーズンの欧州戦線も、残るは2試合。CL、ELの決勝を残すのみだ。それが、2017年現在のランキングにどんな影響を与えているか。

 2016年、2015年と比べてみて顕著になるのがイングランドの退潮だ。

【UEFAカントリーランキング】
・2015
1)スペイン   99.999
2)イングランド 80.391
3)ドイツ    79.451
4)イタリア   70.510

・2016
1)スペイン   105.713
2)ドイツ     80.177
3)イングランド 76.284
4)イタリア    70.439

・2017(5月16日現在)
1)スペイン   104.713
2)ドイツ     79.498
3)イングランド  75.676
4)イタリア   73.332

 独走状態にあるのはスペイン。イングランドから2007年以来、首位の座を奪還したのが2013年で、以降5シーズン、その座を守り続けている。CLがスタートした93年以降の25シーズン中では、計13シーズン、首位の座に立つ。

 目を凝らすべきは、欧州4大リーグの2番手以降(ドイツ、イングランド、イタリア)の動向だ。この中で低落傾向を示すのがイングランド。2013年スペイン首位の座を奪われて以来、2位の座を守ってきたが、2016年にドイツに抜かれて、3位に後退。と思いきや、振り向けば、4位イタリアの足音が近づいている。

 3位と4位。両者の間には大きな差がある。ランキング3位が、CL本大会に国内リーグ3位以内がストレートイン、4位チームが予備予選のプレイオフに出場できるのに対し、ランキング4位はそれぞれ2と1。

 欧州ランキング3位以内のリーグの最大値が4なのに対し、4位のリーグの最大値は3だ。

 欧州4大リーグとはよく聞くが、出場枠を巡る争いに基づけば、欧州3大リーグが、現実を示した言い回しになる。いまその枠からこぼれてしまっているイタリアに、イングランドは接近を許している格好だ。

 その低迷ぶりは、今季(16−17)のCLを見れば明らかになる。準々決勝に駒を進めたのはプレミアリーグ覇者ながら、イングランド勢では最も期待されていなかったレスター・シティのみ。

 トッテナム・ホットスパーはグループリーグ3位で敗退。アーセナルとマンCは、バイエルンとモナコに決勝トーナメント1回戦で敗れている。

 アーセナルがバイエルンに敗れたスコアは通算2−10(1−5、1−5)。レベルの差を痛感させる屈辱的な記録だ。また、グアルディオラ率いるマンCも、その通算6−6、アウェイゴール差での敗戦に、不運を感じさせない妥当な結果と言えた。本大会に出場した4チームに、強いというイメージを抱くことはなかった。

 今季のプレミアリーグで首位を行くチェルシー。CLが欧州1部リーグなら、欧州2部リーグに当たるELで決勝進出を決めているマンUもしかり。両者でCL決勝を争った9年前(07−08)のようなレベルにはない。

 プレミア勢4チームすべてが、バルサとともに優勝候補に挙げられていた2000年代の中頃は、今や昔の話。まさに隔世の感を抱かせる。

 レアル・マドリー、バルサ、バイエルンに、見た目、華やかさという点で劣る。トップクラスの選手の絶対数でも劣っている。なによりバロンドールを狙えそうな選手が存在しないのだ。C・ロナウドはマンU時代に一度、バロンドールに輝いている(2008年)が、翌シーズンにはレアル・マドリーに移籍。以来、その投票で3位に入ったプレミアリーグの選手はいない。そこは、真のスーパースターが目指す舞台とは言えなくなっている。

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