成田発ロサンゼルス行き全日空6便の出発前の機内で5月1日、乗客同士のトラブルが発生した。殴り合いのけんかの末、酒に酔った40代の米国籍の男が逮捕されたが、海外メディアは身体を張って対応した女性客室乗務員を絶賛しているもようだ。

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11時間のフライトを予定していたボーイング777の機内で離陸10分前、40代の米国籍の男が後方に座っていた男性に暴言を吐くと、いきなり殴りだした。その後2人は殴り合いとなったが、騒動の様子はすぐ後ろに座っていたコーリー・アワーさんが携帯電話で撮影しており、SNSで拡散している。

コーリーさんは『CNN』のインタビューに、けんかが始まった時の様子をこう語っている。

「赤いアロハシャツの男が後ろに座る黒いシャツの男性に『どこから来たのか』と聞くと、間を置かずに『おまえを殺すぞ』と言い放ちました。」

「黒いシャツの男性は驚いていたものの、落ち着いていました。事を荒立てないようにしていたのでしょう。でも赤いアロハシャツの男は、後ろを向いたまま黒いシャツの男性にパンチを浴びせ、そこからは殴り合いになってしまいました。」

動画では、騒ぎを聞きつけた女性客室乗務員が「プリーズ、ストップ」と言いながら2人の間に入っているのが見て取れる。赤いシャツの男はいったんその場から離れたものの、その後再び戻ってきて黒いシャツの男性に殴りかかっている。そしてそれを追うように、先ほどの客室乗務員がやってきて身体を張って2人を止めようしているのがわかる。

機内は子供の泣き声で騒然としており、黒いシャツの男性は「この男はいかれてる」と興奮状態だ。

コーリーさんは「再びけんかが始まったので、動画の撮影をやめて2人の間に入りました。赤いシャツの男は私には殴りかかってきませんでした。その後男は『俺が狂ってるとでも思ってるのか? 狂っているのは政府だ』と捨て台詞を残し、スタッフにエスコートされ降機させられました」と述べている。

男は酒に酔っており、傷害容疑で現行犯逮捕された。同便は悪天候とトラブルが重なり、1時間30分ほど遅れて出発したようだ。

『CNN』『NBC』をはじめとする海外メディアは、「身体を張ってけんかを阻止しようとした客室乗務員は非常に勇敢である。スタッフの対応は適切であった」と絶賛している。このところ飛行機内でのトラブルが絶えないが、必死で任務を遂行する客室乗務員がいることも忘れてはならないだろう。

出典:http://edition.cnn.com
(TechinsightJapan編集部 A.C.)