就活シーズン真っ只中の4月は、リクルートスーツの学生を目にする季節だ。

 この時期に入ると、学生はSNSの扱いが慎重になる。アカウントに鍵をかけ、個人と特定されにくいアカウント名へ変更。「人事担当が学生のSNSを検索する」という噂に対抗すべく、様々な工夫を凝らすのだ。

 だが、採用する側の人間だって、アカウントの一つや二つは持っている時代。そのため、SNSを検索されているのは何も学生だけではない。

 つまり今、“学生側が人事担当を検索する”という逆現象が起きているのだ。

 人事は会社の顔としてフルネームを晒している。本名、顔、会社名とこれだけ情報が揃えば、FacebookやTwitter、インスタグラムで個人を特定することなど何ら難しいことではない。

 そこで今回、実際に無防備なSNSで学生側に泣かされた人事担当2名を紹介する。

◆1枚の写真が与えた、重すぎる代償

 都内のあるメーカーで人事担当だったAさん(仮名/28歳)。

 Aさんは職場の重役と肉体関係にあったが、社内では関係を匂わせないように細心の注意を払っていた。

 ところが、些細なきっかけでその関係に終わりが訪れる。

 内定者の1人がAさんのインスタアカウントを発見。その中のとある写真によって、2人の関係がバレてしまったのだ。

 その写真に写っていたのは、
「〇〇くん(重役の名前)おめでとう」と書かれた誕生日ケーキ。

 プライベート感満載なその写真は、2人の関係を証明するのには十分だった。

 その他にも、プレゼントであろうハイブランドものの写真がちらほら。余程嬉しかったのか、鍵もかけていないインスタグラムに投稿していたAさん。周りには言えない関係であるが故、SNSで承認欲求を満たしていたのであろう。

 この出来事は、内定者はおろか、瞬く間に社内の人間にも知れ渡った。立場の弱いAさんはすぐさま人事を外され、現在事実上の左遷を受けている。

「こちらが内定者側のSNSを確認することはあっても、まさかその逆があるとは……。とはいえ、自分自身の脇の甘さが原因。会社に居づらい状況だけど、転職する元気もないし、仕方がありません」

 1枚の写真がきっかけで失った代償は、あまりにも大きかった。

◆黒歴史である過去のポエムを暴露される……

 とある出版社で、編集兼採用担当をしていたBさん(仮名/35歳)。彼もまた、採用担当としてSNS絡みで嫌な思いをしたという。

「学生側が僕のことを検索して、過去に書いたポエムを読んできたんです。検索されただけでも嫌なのに、さらに黒歴史であるポエムの数々をその場で音読されて……。あまりの恥ずかしさに動揺してしまい、正直面接どころではありませんでしたよ。もちろん、恐ろしくて採用はお断りさせてもらいました」

 冷や汗ものの体験をしたBさんは、それ以来の教訓があるのだとか。

「あれ以来、ペンネーム必須で活動しています。ネット上で本名を晒すリスクを甘くみていました。学生たちのネットリテラシーの高さにも驚きですよね」

 今の学生は、ネットに精通したデジタルネイティブ世代。我々よりもSNSの扱いが上手く、ネットリテラシーも高い。採用する側だと高を括っていると、痛い目にあうかもしれないのでご注意を。

<取材・文/芝浦ノロコ>

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