フランスのメーカーで、MWC 2017開幕直前に日本でも記者会見を行ない、1万4800円と激安端末の発売を発表しているWiko(ウイコウ)。そのWikoがスペイン・バルセロナで開催中のMWC 2017にて、背面のメインカメラをデュアル仕様にした最新モデル「WIM」を発表しました。

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WIMは5.5インチ(1080×1920ドット)の有機ELパネルを採用したモデルで、CPUはSnapdragon 626(2.2GHz、オクタコア)、メモリーは4GBで内蔵ストレージは64GB、バッテリーは3200mAh。前面のディスプレー下部には指紋認証センサーも搭載しており、スペック的にはミドルハイクラスのモデルです。

いちばんの特徴は背面のデュアルカメラ。センサーはソニー製で解像度は約1300万画素。フロントカメラはシングルですが、メインカメラよりも高精細な1600万画素となっています。

画質のチューニングなどは本社をパリとサンフランシスコに置くDxOと共同開発。DxOはiPhoneに装着して使う1インチセンサー搭載のカメラモジュールや写真編集ソフトを開発・発売しているメーカーです。またビデオ撮影の手ぶれ補正にはスウェーデンのvidhanceと提携して技術提供を受けています。

カメラの仕様は、iPhone 7 Plusのような標準+望遠といった画角の違うレンズを組み合わせるのではなく、片方をカラー、片方を明暗のみのモノクロと、それぞれのセンサーに別の役割を担当させる仕様。

シングルセンサーに比べて、逆光など明暗差の厳しいシーンでも、白とびやつぶれをおさえて明るさの階調がしっかりと出ている写真に仕上げられます。さらに被写体の深度を測って一眼カメラのようなボケを出すことも可能です。

画角の違うレンズを組み合わせるのではなく、カラーとモノクロの組み合わせによるデュアルレンズを選んだことについて、同社の開発担当者は「まずクアルコムのチップでの制御が可能なこと。それとモノクロと組み合わせたほうが画質の向上につながる」と説明しています。

カラーとモノクロセンサーのデュアルカメラというと、ファーウェイのP10やMate9と同じ方式。レンズやカスタマイズに協力しているメーカーが違うとは言え、ファーウェイもカラーとモノクロの組み合わせを採用してから写真の画質が格段に向上しています。

ブースでのWIMの展示機は開発中のため写真撮影のテストはできませんでしたが、プレス向けのデモブースではテスト撮影を披露。暗い場所でもしっかり色と明るさのある写真が撮影できていたので、調整次第では「低価格なのにキレイに撮影できるスマホ」として注目を集めそう。

まずは欧州から販売をスタートする予定。価格は399ユーロ。関係者の話では日本への導入も検討しているそうなので、期待したいところです。

【ギャラリー】MWC 2017 WIM (17枚