ホームレスへの迫害だ」としてネットで炎上した、東京都渋谷区の交差点に突如設置された“奇妙な突起物”。これが、13日に全て撤去された。

 問題となったのは、首都高速3号渋谷線の高架下から数メートルほど離れた道玄坂上交差点の一角。周囲をぐるりと道路に囲まれた小さな広場には、これまで青々とした生垣が作られていたが、11月下旬に突然、植物を撤去。土があった地面はコンクリートで固められ、さらにゴツゴツとした突起物が大量に埋め込まれた。

 今月、この写真がTwitterに投稿されると、東京五輪・パラリンピックへ向けた、強引な“ホームレス対策”ではないかとの臆測が浮上。「非人道的」「怖すぎる」「なんて意地悪で貧しい発想だろう」「ホームレス減らしたいなら、日本の根本を変えるべき」などと批判が殺到した。

 また、著名人もこれに同調。戦史・現代史研究家の山崎雅弘氏は、「冷暖房完備の清潔な役所の部屋で、スーツ姿の役人が考え、公的に承認された『合理的なホームレス対策』がこれか」と呆れた様子で綴り、作詞家の及川眠子も「オリンピックまでにホームレスを『撲滅』したいってことなのね。でもさ、ものすごい醜いよ、このオブジェらしきものは。これを考案した人の心をそのまま映してる」と批判的だ。

 さらに、騒ぎは海外にも飛び火。多くの外国人がこの写真をリツイートし、「無力な人々を傷つけるための、日本政府の対策だ」などと批判している。

 この騒動後、突起物を取り付けた国土交通省・東京国道は、12日と13日に撤去工事を実施。現在は、突起物があった痕跡は残っているものの、ほぼフラットな状態となっている。

 そもそも、なぜ突起物を設置したのか? 東京国道事務所に問い合わせると、「以前よりゴミが投棄され、撤去と清掃が大変でした。地元の方にも清掃に協力いただいており、ゴミが捨てられないようにと考え、突起物を施工しました」との回答。あくまでも、“ゴミ対策”だと主張している。

 また、撤去工事を行った理由については、「ゴミを捨てられないように設置しましたが、頂いたご意見を踏まえ、景観・安全性に配慮して、なるべく突起物のない違う形で整備することにしました」と説明。“ゴミ対策”の代替案については、「地元の方々と相談して、安全性や景観に考慮した対策について検討していきます」としている。

 東京五輪を4年後に控え、さまざまな問題が浮上している東京。国民の行政への不信感は募る一方だが、今回の“奇妙な突起物”はその序章に過ぎないのかもしれない。

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