安倍晋三首相が大統領選の勝利からわずか1週間しか経っていないトランプ氏と会談をするために訪米したことについて、民進党の関係者からは「朝貢」に匹敵する行為だいう指摘があった。朝貢とは、外国の使者などが来朝して朝廷に貢物を差し出すことだ。

 古代中国はアジア全域に大きな影響力を持っていたため、周辺国は古代中国の各王朝に朝貢を行っていたが、中国メディアの今日頭条は18日、日本は古代中国の周辺国家とは異なり、「これまで一度も古代中国に朝貢したことがない」と論じる記事を掲載した。

 記事は「日本は歴史上少なくとも3度、中国に朝貢していた時期がある」と主張する見方が一部で存在すると紹介する一方、実質上そのどれもが朝貢にはあたらないと否定。その3度とは漢委奴国王印で有名な西暦57年の光武帝に対する朝貢、西暦239年の魏に対する邪馬台国の卑弥呼による朝貢、そして明朝に対する足利義満の朝貢だが、これら古代中国に朝貢したとされる人物は、決して当時の日本の代表者ではないというのが記事の論拠だ。

 さらに、日本が古代中国に対して決して朝貢しなかった理由として、地理的に他国から侵略されにくい位置に存在しているために古代中国の保護を必要としなかったこと、また日本は地震などの災害が多い国家であるため、朝貢するより、むしろ古代中国を侵略して安全な土地を手に入れることを考えるほうが当時の日本人の必要にかなっていたためではないかと主張した。

 また記事は、「日本」という国名には「日が昇る国」という意味があり、また日本から見て中国は太陽が沈む場所であるゆえに、日本人は太陽が昇る国家が太陽が沈む国家に朝貢することなどあり得ないと考えていたと説明した。

 一部資料によれば、日本という国号が定着したのは西暦7世紀後半から8世紀の初めごろだと説明している。また日が昇る場所という意味が込められた日本という国号が採用されたのは、中国側から見た日本の位置が考慮されたからだという見方もある。そうであれば日本と中国はまさに国号に至るまで深く結びついた関係と言えるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)