執筆:Mocosuku編集部
監修:坂本 忍(医師・公認スポーツドクター・日本オリンピック委員会強化スタッフ)

お葬式や別れ話などの真剣な場面や、相手が怒っていたり悲しんでいたりするときに、不謹慎だとわかっていてもニヤニヤしたり、笑いが止まらなくなったりすることはありませんか?

もしもそれが頻繁に続き、人間関係に支障をきたしているのであれば「失笑恐怖症」の可能性があります。

いったいどんな病気なのでしょうか?詳しく見ていきましょう。

「失笑恐怖症」とは

失笑恐怖症は、対人恐怖症のひとつで別名「笑い恐怖症」ともいわれています。

思い出し笑いや、何かを見つけて笑うのとは違い、笑ってはいけない場面だとわかってはいても笑いが止まらない症状のことをいいます。

その場の空気や重圧に負けて、面白くないシーンや、笑ってはいけないところで笑い、周囲から冷たい視線を浴びることがあるのも特徴です。

失笑恐怖症では主に次の症状があります。

・何もおかしくないのに笑いがこみあげてくる
・笑ってはいけない場面で笑ってしまう
・我慢すると余計に笑いが止まらない
・笑ってはいけない場面で笑うのではないかと恐怖に感じることがある
・笑ってはいけない場面で笑っている自分が、周りからどう思われるか不安になる

怒られている最中に噴き出し、「笑ってはいけない」と思うほど可笑しくなってしまうという悪循環に陥ります。失笑恐怖症は、神経質な性格の人に多くみられると言われています。

「 失笑恐怖症 」の原因とは

失笑恐怖症は、極度に緊張したり不安や苦痛を抱えたりしているときに、その恐怖心を回避するために笑うといった傾向がみられます。また、笑ってはいけない状況の緊張感や恐怖心に耐えられず、そのストレスを緩和するために笑いがこみあげてくるのも原因のひとつです。

過去に失敗して怒られた経験から、真剣なシーンにおいて必要以上に心配や不安、恐怖心を抱えてしまうことが、失笑恐怖症の原因だと考えられています。

「失笑恐怖症」の改善法

失笑恐怖症の人は「笑わないようにしたい」と思えば思うほど、かえってそのイメージが強くなり笑ってしまいます。笑ってはいけないと無理に思わないことが大切です。

また、失笑恐怖症は、対人恐怖症にも似た恐怖症です。

対人関係の悩みやストレスをできるだけなくし、精神的なプレッシャーを解放することが改善につながります。