路線バスの終点で下車する場合、「降車ボタン」は押すべきなのでしょうか。特に乗客が自分ひとりという場合、迷うかもしれません。その「正解」を探りました。

終点から先はそもそも、乗れないのだから…?

 路線バスの終点で降りる場合、途中のバス停と同様に降車ボタンを押すものなのか、はたまた、その必要はないのか、迷った経験はないでしょうか。


下車の意志を示すため、使用する「降車ボタン」。終点で下車の意志を示す必要性は、はたして……(写真出典:photolibrary)。

 乗降客がいなければ、路線バスは停留所を通過する場合があります。そのため乗客は、目的のバス停で降りるにあたり「降車ボタン」を押し、降りる意思を運転手に伝えねばなりません。しかし終点のバス停ならそもそも、それ以上乗れないため、押さなくても良さそうな気もします。

 はたして押すべきなのか、その必要はないのか、「正解」はどちらなのでしょうか。

終点での降車ボタン、「正解」はない?

 終点で下車する場合の降車ボタンについて、東京都交通局によると「降車ボタンは押さなくてもバスは停車します」とのこと。また東京都や川崎市、横浜市を走る東急バスも、「特に押さなくても結構です」といいます。

「終点では必ず停車することになっています。『次が終点です』という車内放送も、たとえお客様がいなくても、ボタンを押して流しています」(東急バス 総務課)

 また、東京都交通局は次のように話します

「お子さまは降車ボタンを押したがることが多いですし、押されないということはほとんどありませんが、たとえお客さまがひとりもいらっしゃらなくても、終点では必ず停車することになっています」(東京交通局 自動車部 運行管理担当)

 終点での降車ボタン、特にどちらが「正解」という問題ではなく、押しても押さなくてもどちらでも大丈夫、ということのようです。

 降車ボタンを押したくなる気持ちは、決して子どもだけのものではない、かもしれません。そんなときは終点でも遠慮なく、ボタンを押してください。

寝ていても大丈夫? 終点における手順

 ちなみに、終点付近でのバス運行手順について、東京都交通局では次のような流れになっているそうです。

終点ひとつ前の停留所を出発

車内放送で、終点であることと合わせて次の停留所を案内する

終点に到着

運転手がマイクで終点であることを車内に案内する

バス周囲と停留所付近の安全を確認したのち、降車扉を開く

乗客が全員降りたら車内を点検し、全員の降車と忘れ物の確認をする

異常がなければ運行終了

 降車ボタンを押す押さないどころか、たとえ寝ていたとしても、終点では起こして、降ろしてくれるわけです。とはいえくれぐれも、寝過ごしには注意しましょう。

【写真】好きなだけ押せる降車ボタン


バスの降車ボタンは一般向けに商品化もされており、好きなだけ押すことができる。写真は「東急バス 降車ボタンキット」(2016年9月、乗りものニュース編集部撮影)。