尖閣諸島(中国名:釣魚島)を取り巻く、中国による挑発的行為が活発化している。中国メディア・人民網は13日、中国の軍事専門家が「日本は中国の海警船のパワーアップに対応できていない」と解説していると報じた。

 記事は、中国の軍事専門家・尹卓氏が中国の取り締まり船や漁船が尖閣諸島に侵入することについて「軍事行為でもなければ戦争行為でもない」と解説したことを紹介。日本や米国が意図的に事実を拡大、歪曲して、中国を悪者にしていると論じたことを伝えた。

 その上で、日本メディアが先日「尖閣諸島周辺において、日本の海上保安庁の巡視船は1対1で中国船を追跡、監視する。現在巡視船は12隻であり、中国船が13隻以上同時に出現した場合、日本側は手に負えなくなってしまう」と報じたことを紹介。実際、2012年9月には40隻だった中国の1000トン以上の大型巡視船は昨年12月までに120隻に急増、19年には135隻に達すると日本側が見込んでいるとした。

 そして、この情報について尹氏が「現在のパワーバランスの変化を示すものだ」と説明。日本が尖閣諸島を国有化したことで、中国政府は大型の海洋警備船づくりで日本を上回るという決心をしたとし、「今、日本はこの差に対応できていない。しかし、今後両国の海洋警備船の差は更に拡大するという現実をハッキリと認識しなければならない」と論じたことを伝えた。

 中国は、強大化した海洋巡視能力を背景に南シナ海と同時に、東シナ海においてもこれまでの勢力構図を改め、実効支配を既成事実化しようとする動きを強めている。中国による尖閣諸島海域への侵入は今後さらにエスカレートすることが予想されるが、数による攻勢に対して日本がどう対応していくかを真剣に考えなければならないだろう。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)