プリウス、圧倒的な人気に衰えなし!

■2016年6月の新車販売台数(自販連、全軽自協調べ)()内前年同月比
1)プリウス系 ・・・・ 28,785台(263.6%)
2)N-BOX系 ・・・・・・15,622台( 92.6%)
3)アクア ・・・・・・ 15,041台( 83.2%)
4)タント ・・・・・・ 12,340台( 87.3%)
5)シエンタ ・・・・・ 10,954台(834.9%)
6)フィット ・・・・・・9,936台( 92.4%)
7)パッソ ・・・・・・・8,278台(203.5%)
8)N-WGN ・・・・・・・ 8,059台(111.2%)
9)ノート ・・・・・・・7,956台(103.9%)
10)アルト ・・・・・・・7,821台( 76.6%)
11)カローラ ・・・・・・7,489台( 55.3%)
12)ヴォクシー ・・・・・7,278台( 80.4%)
13)ヴェゼル ・・・・・・7,184台(111.3%)
14)ワゴンR ・・・・・・ 6,789台( 91.0%)
15)ハスラー ・・・・・・6,663台( 80.0%)
16)セレナ ・・・・・・・6,600台(117.4%)
17)ムーヴ系 ・・・・・・6,542台( 55.3%)
18)ヴィッツ ・・・・・・6,519台( 97.3%)
19)スペーシア ・・・・・6,299台(122.9%)
20)キャスト ・・・・・・4,731台(-------)
21)ステップワゴン ・・・4,558台( 60.2%)
22)デミオ ・・・・・・・4,244台( 62.6%)
23)ソリオ ・・・・・・・4,143台(185.1%)
24)エクストレイル ・・・4,121台( 80.6%)
25)ノア ・・・・・・・・3,906台(108.6%)
26)エスクァイア ・・・・3,901台( 67.3%)
27)シャトル ・・・・・・3,768台( 70.8%)
28)ヴェルファイア ・・・3,695台( 59.1%)
29)オデッセイ ・・・・・3,474台(378.8%)
30)イグニス ・・・・・・3,411台(-------)
31)ハリアー ・・・・・・3,218台( 58.7%)
32)アルファード ・・・・3,146台( 66.4%)
33)クラウン ・・・・・・3,027台( 79.3%)
34)インプレッサ ・・・・2,924台(137.0%)
35)ウェイク ・・・・・・2,734台( 47.5%)
36)オーリス ・・・・・・2,484台(274.2%)
37)フリード ・・・・・・2,424台( 71.3%)
38)レヴォーグ ・・・・・1,978台(121.5%)
39)フォレスター ・・・・1,963台(192.1%)
40)エスティマ ・・・・・1,879台(122.5%)

好調トヨタに対して、前年比37.4%ダウン! マツダ危機的状況? 

 自販連と全軽自協が発表した6月の新車販売ランキングは上記のようになった。

 相変わらずトヨタ 強し! と、言った印象で、ベスト5の中にプリウスアクアシエンタ と3代ものモデルがランクインした。

 6月のメーカー別の数字を見ても、登録車全体が前年同月比3.0%増であるのに対し、トヨタは7.7%増を記録。スズキ も、ソリオイグニス が好調で168.6%と伸び率だけで見ればスズキがさらに大きい。しかし、登録車の台数規模を比べると、桁違いなのであまり参考にならない。

 ホンダフィット日産ノート などは、モデルサイクルが長期化する中でそれなりに頑張ってはいるものの、トヨタの牙城を崩すような状態にはなっていない。とくに、ホンダは89.4%と大きく落としている。

 それ以上に大きく落としているのがマツダ 。なんと、58.1%となった。今回のランキングで、マツダ車はデミオが22位に入っているだけ。そのデミオも62.6%と大きく落としている状態。新車の投入が無いことなどや、より個性的なメーカーであることを目指し、販売台数よりも収益性を重視するなどとした営業戦略も理由として上げられている。

 収益重視ということは、販売の現場では値引きをしない、ということになる。マツダの保有台数の多くの顧客は「値引きのマツダ」時代に購入。つまり、価格で選んだ顧客が多い。こうした顧客が代替時期に入り商談すると「値引きしません」と言われる訳だから、他メーカーへの流出のきっかけとなる。

 新世代商品群に切り替わり、値引きをしなくても買ってくれるマツダへの強いブランド信仰をみせる顧客が多く占めるようになるまで、しばらくマツダの国内販売台数減は続きそうだ。

 販売台数減にしびれを切らせ、以前のように値引きに頼った売り方をすれば、せっかく築き上げてきたブランドイメージも失墜する。今、マツダは厳しい選択とガマンを強いられている。そうした状況下でも、販売台数下落に歯止めをかけるのが本当の営業力。マツダの営業力が問われている状況だ。

自滅した三菱、日産、スズキを尻目に着実に売ったN-WGN

 トップ10の車種を見ると、登録車が6車種で軽自動車が4車種。常連だった日産のデイズ系 が販売中止になっていたことも影響しているが、軽自動車の元気のなさを示すものといえる。

 伸び率で目立つのモデルは、フルモデルチェンジの効果があるプリウス 、シエンタ、パッソ といったところ。そんな中でN-WGN が11.2%増。これは、販売が中止されていたデイズやeKワゴン の顧客が流れてきた予想できる。

 また、ノートが3.9%増と検討しているのにも注目したい。ハイブリッド をもつフィットが7.6%減と落としている中、ガソリン車しかないノートが売れている。これは、歩行者検知式の自動ブレーキが標準装備されたことなどの改良が功を奏したこともあるが、販売ボリュームが大きかったデイズ系が売れなくなったこともあり、営業力がノートなどの普通車に集中したことも要因だろう。

 11位から20位までの車種では登録車と軽自動車が5台ずつとなった。前年比で伸びを示しているのは、改良のあったヴェゼルやスペーシアが伸びを示している。逆に以前はトップ10の常連だったヴィッツ が18位にまでランクを下げています。ヴィッツは今年度末頃に大幅なマイナーチェンジが行われテコ入れされる予定だ。

フルモデルチェンジ直前でも17.4%増の日産セレナ! その理由は?

 驚きなのが日産セレナ。8月末にフルモデルチェンジが予定されているモデル末期だというのに、117.4%という数値を記録。在庫一掃セールだったとはいえ、通常では考えにくい販売を記録した。新車発売から1年半弱のホンダ ステップワゴンが60.2%と大きく落としていることを考えれば、モデルチェンジ直前のモデルとしてはいかに異常な数値であるか分かる。これは、台数を稼ぐデイズ系が売れなかったこと、また日産にとってセレナは、ドル箱車種であり、絶対に落とすことができない車種であること、モデルチェンジ前で値引き額が大きいなどが重なり、こうした驚きの数値が出たと考えられる。

 9月以降から、新型セレナ がドンドンと登録されるので、この新車販売ランキングにも大きな変化が起きる可能性が高い。

 21位から30位までの車種では、フルモデルチェンジを受けたソリオ とハイブリッド車を追加したオデッセイ が伸びを示したほか、ノア まで伸びてる。ヴォクシーエスクァイア がマイナスなのに、なぜノア が伸びているのは不明だ。

秋にフルモデルチェンジ予定のインプレッサ好調! スバル堅調に販売増

 31位以下の車種では、台数規模はともかくインプレッサレヴォーグフォレスタースバル 3車種がいずれも伸びている。一部改良やマイナーチェンジによる効果だろう。着実に改良を重ねている効果なのでしょう。その中で、インプレッサは約3千台を売り137.0%となった。インプレッサもこの秋フルモデルチェンジを予定しているが、堅調な販売台数を確保。モデル末期ということもあり、値引き額も大きくなっているのだろうが、やはり歩行者検知式の自動ブレーキであるアイサイト 効果や、このクラスでは数少ない4WD であることが積雪地域で高く評価されている。

 また、ハイブリッド 車を追加したオーリス が大きな伸びを示した。これは、当然の結果という印象。すでに、ハイブリッド車は欧州などで販売しており、なぜ、もっと早く導入しなかったのか、という状態だ。

 40位には、11年目を迎え外観デザインを変更したエスティマ が伸び40位に入ってきた。デザインが大きく変わったこともあり、新鮮味が出たことによる人気復活だろう。しかし、基本的な部分は11年前のクルマである。乗ると古さは隠せないので、この人気は一時的になる可能性が高い。

BMW、輸入車ナンバー1のメルセデス・ベンツを射程内に? クリーンディーゼル車導入のプジョー&シトロエンに今後注目!

 自動車輸入組合が販売した輸入車の販売統計は、メーカー別の台数ですが、首位がメルセデス・ベンツ で、BMWフォルクスワーゲンアウディBMWミニボルボ の順。メルセデス・ベンツは、なんとか前年同月比越えの100.4%としているが、かなり苦しい状況。ライバルBMWは好調で109.2%としている。この2社の販売台数差は、わずか700台。虎視眈々とBMWが輸入車ナンバー1を狙っている状態だ。

 7月以降から注目なのが、プジョーシトロエン のPSA。シトロエンはやや不調で69.0%と大きく落ち込んでいる。ただ、プジョーは好調で111.2%となった。プジョーとシトロエンは、7月にクリーンディーゼルエンジン を搭載したモデルを今後、続々と日本に導入すると発表。小型車を得意とする同グループは、ミニなどのプレミアムブランドとは違い、価格も比較的日本車に近い。フォルクスワーゲンが、北米のディーゼル排ガス不正問題で、ディーゼルエンジン車を導入することが延期されている中、フォルクスワーゲンの主力車種と同じクラスに続々とクリーンディーゼル車を投入することから、輸入Cセグメント車に関しては、オプジョー&シトロエンがイッキに販売台数を伸ばすことが予想される。これから秋に向けての販売台数に注目したいところだ。

この記事をCORISMで読む→