梅雨前線が停滞する九州地方でしばしば局地的な大雨に見舞われ浸水などの被害が出ている一方、関東地方ではこの時期としては雨が非常に少なく、利根川水系のダムの貯水率が大きく低下している。本格的な夏が到来すれば、水不足はさらに深刻化する可能性もある。「蛇口を全開にして豪快に水を飲む」ことが憚られる状況だ。

 ところで、蛇口をひねってすぐに水が飲めるというのは、しばしばそうでない国や地域の人からは驚きや羨望のまなざしを向けられるものだ。台湾メディア・中国時報電子版は13日、日本ではそのままでも水が飲めるのに、敢えて飲まない日本人が存在することにさらなる驚きを覚えたとする文章を紹介している。

 文章は、日本に留学している台湾人の日記だ。「台湾にいた時は、水道の水は塩素のニオイがきつく、沸騰させるかろ過させないと飲めなかった。だから、蛇口をひねって直接飲める国は総じて羨ましかった」としたうえで、来日後はその喜びを大いに感じていたようである。

 しかし、日本人の友だちと水の話をしたときに、衝撃の事実を知る。家にろ過器は付けているのかと聞かれ、「ないよ。水道の水はそのまま飲めるでしょ」と返答したところ、「直接飲んでもどうってことはないけど、飲まないほうがいい。私はボトルの水を買って飲んでるよ」と言われたとした。

 その後いろいろ調べてみた結果、水道自体に問題はないものの、古い建物だと配管も古いため、不純物が含まれるようになるとの認識を得たという。そこで「保険」としてろ過機能のあるポットを購入、それで「体に良く、少し安心もした」と綴っている。

 「そのまま飲めるのに、そのまま飲まない」ことを知ったこの留学生の驚きは、さぞや大きかったことだろう。「そのまま飲めるだけでも幸せではないか」と思ったかもしれない。その一方で、蛇口の水がそのまま飲める日本において、浄水器や浄水ポット、そしてペットボトルの水が大量に売られてことにも納得しただろうか。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)