日本では中国に対して「模倣」や「パクリ」という印象を持つ人は少なくないだろう。だが、中国メディアの今日頭条はこのほど、中国ではなく、日本こそ世界一のパクリ大国であると主張する記事を掲載した。

 記事は日本が中国文化を「パクった」と主張し、その事例の1つとして、平城京と平安京を紹介。これらは「北魏の洛陽や隋唐の長安のパクリ」だと指摘し、京都に洛北、洛東、洛南、洛西、洛中などの地名があるのはこのためだと論じた。

 さらに別の事例として、かつての日本で使用されていた銅銭を紹介。中国で流通していた貨幣を鋳造するための型が日本で発見されたとき、学者たちは日本で中国銅銭の「パクリ貨幣」が使用されていたことを知るに至ったと説明、中国がパクリを行う1000年も前から日本はすでに中国をパクっていたと主張した。

 記事の主張が見落としているのは「違法性」やパクられた側の経済的また精神的な損失という点だろう。仮に平城京や中世の貨幣が中国文化のコピーであるとしても、これらが当時の中国に対して経済的また精神的な損失を与えたとは言えない。むしろ平城京や日本の貨幣は中国の名声を高めるものとなったはずだ。なぜなら当時の日本はそれらを独自のアイデアによるものとは決して主張していないからだ。

 しかし市場が国際化している現在、例えば自動車のデザインをパクってそれを「独自のデザイン」とする一部の中国自動車メーカーの場合は、明らかに現代の法に反しており、また経済的・精神的な損失を相手に与えるものだ。こうした点が理解できないからこそ、「日本が中国をパクっていた」という的はずれな主張が繰り広げられ、中国では今なお悪質なコピーが根絶されないのであろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)