またしても快挙です! アメリカの重力波観測所「LIGO」は2度目となる「重力波」の観測に成功したと発表しました。同観測所は今年の2月にも初となる重力波の観測に成功しています。
 
重力波とは、時空の歪みが光速で移動する現象です。あらゆる物体は時空に歪みを生じさせますが、現時点で観測できるほどの歪みはブラックホールの合体などの、超大質量の天体活動に限られています。さらに、重力波の存在は100年前にアインシュタインも予言していました。
 
今回の重力波も14億光年離れたブラックホールの合体から発生したものでした。2つのブラックホールは光速の半分のスピードで合体する前に、お互いの周りを27回周回しました。またそれぞれのブラックホールは太陽の8倍と14倍の質量を持ち、合体により21倍の質量の天体となります。そして、残りの太陽と同等の質量が重力波として放射されたのです。
 
バーミンガム大学でLIGOチームに所属する天体物理学者のJohn Veitch氏は、「今回の発見は、宇宙でたくさんのブラックホールが将来観測されるであろうことを意味します」と語っています。さらにバーミンガム大学のWill Farr氏によると、現在観測できる領域だけでもブラックホール同士の衝突は15分に1回も起きているそうです。
 
また海外だけでなく、日本では重力波望遠鏡「かぐら」が3月に試運転を開始しており、こちらでも重力波の観測が期待されています。重力波の観測は宇宙の誕生やブラックホールの仕組みの解明に役立つとされており、今後の研究の発展が実に楽しみですね!
 
Image Credit: R. Hurt/Caltech-JPL
■Second gravitational wave detected from ancient black hole collision
https://www.theguardian.com/science/2016/jun/15/gravitational-waves-detected-from-collision-of-second-set-of-black-holes-ligo?utm_source=rss&utm_medium=rss