休日前の安堵感やワクワク感から一転、日曜日の夕方から夜にかけて出る大きなため息。

楽しく穏やかな休日気分が一気に現実に引き戻される瞬間とでもいうのでしょうか。多くの人がそんな体験を経験したことがあるはずです。

しかし、これがため息だけで済めばいいのですが、なかには「明日からまた1週間がはじまる」と考えただけで、倦怠感や頭痛、胸やけなどの症状を起こす人もいます。

そこで今回は、健康管理士の筆者が、“サザエさん症候群”の症状やその対策法についてご紹介します。

サザエさん症候群とブルーマンデー症候群

日曜の夕方の憂鬱な気分を、夕方放送される『サザエさん』にちなんで“サザエさん症候群”と呼ばれています。

サザエさん症候群は重症化すると日曜の夕方から夜だけでなく、月曜日の朝にまでおよび“ブルーマンデー症候群”となってしまいます。

ブルーマンデー症候群とは、月曜日の朝に熟睡できないまま目覚め、頭がボーっとして気力が出ない、動悸や頭痛で出社できないなどのストレス症状があり、かなりストレスがたまった状態です。

実際に月曜日は、自殺者や脳梗塞などの脳血管疾患の数がほかの曜日に比べて多くなっています。

■「サザエさん症候群」は食べて対策

ストレスを緩和してくれるセロトニン。別名“幸せホルモン”とも呼ばれていますが、セロトニンは必須アミノ酸のひとつ、トリプトファンを原料に鉄やビタミンB6、ナイアシン、マグネシウムの力を借りてつくられます。

トリプトファンは、カツオやマグロなどの魚類、卵、バナナやナッツ類、乳製品などに多く含まれ、鉄やビタミンB6、ナイアシンはレバーに。マグネシウムは大豆や海藻類に多く含まれているので、毎日の食卓にこれらをとりいれるといいでしょう。

また抗ストレス作用を持つビタミンB群、ビタミンC、カルシウムなども意識して摂ると、それまで大きなストレスとして感じていたものに対する抵抗性がついてきます。

■週末寝坊より20分のお昼寝を

休日はつい朝寝坊をしてしまいがち。忙しい毎日を送っていれば休日くらいゆっくり寝ていたいと思うかもしれません。

しかし、週末の朝寝坊は1時間以上してしまうと、体内時計が狂ってしまい、そのことが体にとって大きなストレスとなります。

朝寝坊するよりも、できるだけ平日と変わらない時間に起きて午後から20分以内のお昼寝をすることをオススメします。短い睡眠が朝のダラダラ寝よりも心身の疲れを癒してくれます。

食事や睡眠といった基本的な生活習慣とともに、日曜日の午後に美容室に行く、月曜日のために一番お気に入りの服を準備する、月曜日のランチはお気に入りの店に行くなど、気持ちが上がるような決め事をつくるのもいいでしょう。

【参考】

自殺対策白書(平成21年版) - 内閣府

※ 神経科学関連ニュース - 神経内科フォーラム

【筆者略歴】

※ SAYURI・・・長年の医療業界での経験を生かし、健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラーとして執筆活動や講演活動をする傍らNPO法人予防医療推進協会の理事長も務める。

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