実績を残した大物たちの去就が未定、所属先が確定していない主な選手は?

 新人の合同自主トレが始まり、各選手、球団とも新シーズンに向けた準備を進めている。各チームの助っ人も決まり始めた。一方で、現役続行を見据えながらまだ所属先が決まっていない選手もいる。今オフは特に、実績を残した大物選手の去就も見えてこない。

 1月11日時点で、現役続行を希望しながら今季の所属先が確定していない主な選手を見てみたい。

川上憲伸投手(前中日)

 名手が続々と引退を表明する中日において、現役続行に意欲を見せて退団を表明。プロ18年目の昨季は右肩の手術などで1軍登板なしに終わった。40歳右腕はここまで日米通算125勝を挙げている。

 退団会見では「まだ野球に没頭したい、野球少年でいたかった。限界に近いのは分かっているのですが、限界を超えてまでもやりたいというのが本音です。引退すると言ってしまえば可能性はゼロ。ちょっとでも可能性を残してという部分が引退という二文字を避けたのだと思います」と語った。

岡島秀樹投手(前DeNA)

 DeNAを戦力外に。同12月には米記者がメジャー移籍を視野に入れていると報じたが、その後、大きな動きは出てきていない。40歳左腕はこれまで2度メジャーに挑戦。2007年には日本ハムからレッドソックスへFA移籍し、加入初年度で66試合登板、3勝2敗5セーブ27ホールド、防御率2.22と活躍。ワールドシリーズ制覇に貢献し、2009年まで3年連続で60試合登板を果たした。

 2012年のソフトバンク移籍を経て、翌2013年にはアスレチックスへ。2014年にソフトバンクに復帰し、昨季はDeNAに加入したものの、負傷などもあり、10登板で0勝2敗2ホールド、防御率8.59と不本意な成績に終わった。

かつての三冠王・松中もいまだ去就は決まらず

多村仁志外野手(前DeNA)

 チームの構想から外れてDeNAを戦力外に。それでも現役続行の意思を示し、自由契約となった。1994年のドラフト4位で横浜に入団し、2004年には40本塁打をマーク。球団史上初の3割、40本塁打、100打点を記録した。

 2006年には日本代表として第1回WBC制覇に貢献。同12月にソフトバンクにトレードで移籍し、2012年オフにトレードでDeNAに復帰。通算200本塁打まで残り5本と迫りながら昨季は4試合の出場にとどまった。

○松中信彦内野手(前ソフトバンク)

 昨年9月に記者会見を開き、19年間在籍したチームを退団することを表明。他球団での現役続行を目指す意志を示した。1996年のドラフト2位でダイエー(現ソフトバンク)に入団。首位打者2回、本塁打王2回、打点王3回に輝き、04年には打率3割5分8厘、44本塁打、120打点で史上7人目の三冠王に。00年と04年にはMVPも獲得した。

 しかし、2014年は33試合すべてに代打で出場し、27打数3安打、打率1割1分1厘、2年連続本塁打ゼロに終わると、昨季も1軍で活躍できず。42歳のベテランは「ファンの皆さんには感謝しかない。でも、自分はボロボロになるまで現役にこだわりたい」とのコメントを残したが、いまだに去就は定まっていない。

キャンプまで3週間切る、大物選手獲得に動く球団はあるのか?

鉄平外野手(前オリックス)

 プロ15年目となった昨オフにオリックスを戦力外に。それでも現役続行を目指し、神戸市内の室内練習場などで練習を継続。2009年には首位打者、ベストナインに輝いたが、2014年に楽天からオリックスへトレードで移籍後は負傷などもあり結果を残せなかった。

「色々と学んだ2年間だった」と振り返った天才打者は「土谷(名字)はまだやれるというところを見せたい」と33歳で迎えるシーズンに向けて強い意気込みを見せている。

井川慶投手(前オリックス)

 2012年にオリックスに加入も4シーズンで29試合に登板、7勝12敗と低調な成績に終わり、昨季は1軍登板なし。オフに戦力外となった。プロ18年(NPB13年)でNPB通算219試合に登板。93勝72敗1セーブ。防御率3.21の成績を残している。

 36歳の左腕は昨年12月にブログを更新し、「交渉はエージェントに任せつつ、電話で連絡を取りながら、オファーをいただく朗報を待っている状況です。体調は相変わらず万全で、シーズン後半の常時140キロ台を投げられたときの、体重や動きを維持しており、しっかりとトレーニングできています。このままなら、来春にいい球が投げられると実感できるオフを過ごしています」と現役続行へ自信をのぞかせた。その際に去就決定が春までずれ込む覚悟を見せている。

 いずれも一時代を築いた選手ばかりだが、現実は厳しい。キャンプインまで3週間を切ったが、ここから獲得に動く球団はあるのか。それとも、このままユニホームを脱いでしまう選手も出てくるのか。各選手の動向に大きな注目が集まる。