「ここ最近の福袋は基本的にハズレがありません。その代わり大アタリもありませんが、売れ残ったあまりものをただ詰め合わせたというものはないんです。販売価格以上の商品が入っているおトク感が味わえますよ!」

そう語るのは、昨今の福袋事情に詳しい米倉勝巳さん。米倉さんは全国の福袋情報を集めて情報発信する「福袋ニュースカレンダー」を運営している。例年12月の1カ月間だけで1千万件ものアクセスがある人気サイトだ。

企業が福袋に力を入れるようになった背景には、ツイッターやフェイスブックなどのSNSの普及が大きく関係しているのだとか……。

「欲しいブランドが決まっている人は、11月〜12月初旬に先行販売されるネット通販で先に購入してしまいます。ネット販売と店頭販売の中身はほぼ同じ。SNSで中身の情報があっという間に出回ります。その際にネガティブな情報が多いと、ネットが炎上。初売りの福袋の売れ行きが悪くなるうえに、企業イメージもダウンします。だから、各社内容を充実させているので、中身を見てガッカリすることはほぼないんですよ」

それでは、’16年イチオシ福袋はいったいなに?「福袋ニュースカレンダー」で人気の福袋を米倉さんに教えてもらった。例年、人気が殺到する福袋が、アウトドアブランドのAIGLE(エーグル)と、moco moco素材のルームウエアが人気のgelato pique(ジェラート ピケ)。

「僕は“3秒伝説”と呼んでいるのですが、エーグルは公式HPでのネット通販がスタートすると、サーバーエラーになってしまうほどアクセスが集中します。やっとつながったと思ったら、すでに完売。3万〜4万円ほどの衣類が1万円で買えるため、コスパがいいんですよ。ジェラート ピケは、Yahoo!で検索でも必ず上位にくる人気の福袋。若い女性のみならず、40〜50代でも愛用している方がたくさんいます」

また、コスメやジュエリーはクリスマス商戦が終了してから福袋を売り出す企業が多いため、今からでもネット通販で福袋が買えることも。元値が高い商品がまとめて買えて、コスパもかなりよい。気になるブランドの公式HPをチェックしておこう。

西武・そごう、イオンは元日から、それ以外の百貨店やショッピングモールは2日から初売りが始まることが多い。福袋を買いに行く際に注意することは?

「郊外のショッピングモールやアウトレットモールに行く場合は、まず駐車場情報をチェックしましょう。初売りの前日や開店の数時間前から開けるなど、駐車場の開門時間はモールによって違う。駐車に時間がかかったせいでお目当てが買えなかった、という事態を避けましょう」

また、開店前に長蛇の列ができると、けがやトラブル防止のため、開店時間を早めてお客さんを中に入れてしまうことも多々ある。

「終電や始発で来て並ぶ人もいます。必ず手に入れたい福袋がある場合は、早めの行動がおススメ。ただ、数時間外で並ぶと体の芯まで冷えるので、防寒対策は万全に。また、1人で並ぶと、トイレに行くために前後の人の協力が必要です。複数で行けば交代でトイレにも行きやすいですよ」