有名企業の中には、長らく独特の“珍ルール”が残っているケースが多い。例えば、体育会気質で知られるあるメガバンクでは、行内で回す稟議書に押すハンコは文字が少し左に傾くように押す。

 左側の枠に上司がハンコを押すと、部下が背を屈めて上司に「お辞儀」する姿を連想させるため、礼儀正しい押し方なのだという。

 また、ビックカメラは「お疲れ様」の挨拶が禁止。理由は「社内的なことでお答えできない」(ビックカメラ広報・IR部)とするが、「会長が店舗を激励訪問した際、目下の立場である店員から“お疲れ様です”といわれて腹を立てたのが発端らしい」(店舗関係者)というのがもっぱらの噂だ。

 京セラでは「お疲れ様」の代わりに「お元気様です」と挨拶するといわれていたが、同社広報室は「事実ではありません」と否定した。

「創業者の稲盛和夫が塾長を務める盛和塾に参加する九州の経営者の企業が実践する挨拶が、わが社のものと勘違いされたようです」

 ワンマン経営ならともかく、大企業で大した意味がなさそうに思える慣習が続くのはなぜか。ジャーナリストの前屋毅氏が解説する。

「大企業であればあるほどライバルも多く、小さなことに異を唱えて上から目を付けられたくない。慣習が無意味だと思っても、誰も疑問を口にしない」

 あなたの会社も“ナニコレ!?”な慣習があるのでは。

※週刊ポスト2015年12月11日号

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