「とにかく野球を楽しんでやることが大事」

 日本ハムのブランドン・レアード内野手の来季残留が24日、球団から発表された。

 来日1年目の今季は全143試合に出場。打率2割3分1厘、チームトップの34本塁打、チーム2位の97打点をマークした。

 7月下旬まで打率1割台と低迷が続いたが、9月に月間9本塁打を放つなど後半戦は勝負強い打撃を披露。本塁打を打った際に見せる寿司を握るパフォーマンスが恒例となった。

 前半戦で不振を極めた助っ人を使い続けた理由について、栗山監督は「どんなに苦しくても常に前向き。とにかく明るく元気」と言った。

 レアードの底なしの明るさは、どこから来るのか。帰国前にレアード本人に直撃すると、ヤンキースのスーパースターたちの教えを明かしてくれた。

――来日1年目で慣れない環境だったと思うが、いつも楽しそうに見えた。

「とにかく楽しんで野球をやることが大事。この明るさを生業にしている。自分は真剣になりすぎると、自分の中で窮屈になってしまうところもある。だから、いつも楽しんでやろうと」

「ジーターやAロッドが野球を楽しんでいるのが印象的だった」

――この明るさは野球を始めた時からか? それとも誰かに学んだのか?

「小さい頃から明るかったと思うが、メジャーリーグで特に感じたことなんだ。大リーグに昇格して、ヤンキースのA・ロドリゲスから『楽しんで野球をすることが大事だよ』と言われたんだ。『子どもの頃の感覚に戻って野球をやるのが大事だ』と。 その感覚でやろうとすると、自分も落ち着いてプレーできる」

――07年MLBドラフトでヤンキースから27巡目で指名され入団。ヤ軍ではメジャーで11年の11試合に出場しただけだが、そこで学んだことは大きいか?

「ジーターやAロッドら実績のある選手が、試合中は野球を楽しんでいるのが印象的だった。そのような方々と野球をやらせてもらって、逆に楽しまないともったいないとも思ったね。ジーターやAロッドはキャリアの長い選手ですし、すごく尊敬している。一言一言が今の自分のためになっている」

――日本ハムで打てない時も、あえて明るく振る舞っていたのか?

「自分が落ち込んでいることで、周りを引き込みたくない。現にシーズン序盤に打てなかった時に、首脳陣から自分の明るさを買っていただいた。チームが勝てない時も明るくやることが、いいチームメートになる条件だと思っている」

 チームメートだけでなく、寿司パフォーマンスでファンのハートをがっちりつかんだ。2016年も“寿司男”のバットに注目だ。