デルが同社高級PCブランドXPSシリーズで初となる、Windowsタブレット『XPS 12』を10月に発表するとのウワサが出てきました。4K解像度(3840×2160ドット)、縦横比16対9の液晶ディスプレイを搭載するキーボード合体型(というよりSurface対抗)モデルです。

伝えられている仕様が本当だとすれば(確度は高そうです)、XPS 13に続く狭額縁デザイン採用でSurface Pro 3よりコンパクトでありながら、4K解像度かつVAIO Z Canvasに対抗できる色域のIPS液晶パネルを搭載。CPUはSkylakeこと第六世代Core系(Core iかCore mかは不明)で、さらにThunderbolt 3端子を搭載し、ワコム製スタイラスペンに対応するという、とんでもない仕様となりそう。

ともすれば、イラストレーターなどにとっては大注目のモデルとなりそうです。

【ギャラリー】DELL 4K解像度Winタブ XPS 12 2015(仮) (6枚)

プレゼン資料と思われる画像付きで情報を掲載したのは、ドイツのガジェット情報サイト『GIGA』。これまでも情報の信頼性は高く、また画像に関してもデルの資料で見られる文章のクセなどがある程度入ったものであるため、これらについての確度は高そうです。

なお、XPS 12は現行モデルもありますが、こちらは2軸回転型液晶を搭載するモバイルノートPCでした(上写真)。ノートPCとタブレット兼用モデルという点では似ていますが、実際の形状としては大きく異なります。

さて、新XPS 12の現状で判明している仕様は、CPUは上述したようにSkylake系。拡張端子に(Atom x系で搭載するとPCI Expressの帯域が不足する)Thunderbolt 3が含まれていることからもほぼ確定ですが、Core mかiかは不明。バッテリー駆動時間はSkylake世代機らしく、公称で最長10時間。

また、Thunderbolt 3は規格上、USB 3.1 Gen2(つまり10GbpsのUSB-C)の上位互換となるため、必然的にUSB-Cにも対応します。

液晶パネルは4K解像度に加え、Adobe RGB比100%の色域と1200対1のコントラスト、そして最大輝度400nit(400cd/m2)という、これでもか的な仕様。上述したように縦横比こそ16対9と、タブレットで評価の高い4対3や3対2ではありませんが、基本性能的には第一線級と呼べそうです。

さらにデルは、左右のベゼル(額縁部)幅を狭めた『InfinityEdge touch Display』仕様である点もアピール。現行のXPS 13(いわゆる2015年モデル)では、『Infinity Display』と呼ばれる同種のデザインを採用していましたが、画像から見る限り本機の左右ベゼルもかなり狭く見えます。

ペン入力に関しては直接ワコムとの記載はありません。ただし、資料にワコムのノートアプリ『Bamboo Paper』という文字がある点(N-Trig製であればワコムのアプリは出さないのが定石でしょう)、また昨今のデル製ペン入力対応PCはほとんどがワコム製デジタイザであることから、ワコム製である可能性は非常に高そうです。

残念ながら、とくにクリエイターにとって重要なメインメモリとストレージの仕様は不明。Thunderbolt 3を搭載するぐらいなので、おそらくは十分な容量と速度がカバーできるものと思われますが、続報が待たれるところです。

特徴としてユニークなのが、カメラに力が入っている点。背面カメラは大型Winタブとしては珍しい800万画素。さらに前面にも500万画素のモジュールを搭載します。

そして気になるキーボードとの合体機構ですが、Surfaceと似たマグネットでの固定となる模様。もちろん、Windows 10が持つタブレットとデスクトップモード自動切り替え「Continuum」(コンティニュアム)もサポート。またタッチパッドはWindowsの高精度タッチパッド仕様準拠で、マウスカーソルの飛びやドリフトがない点もアピールしています。
また詳細は不明ながら、端子拡張用のドッキングステーションも用意されている模様。

このように新XPS 12は、Surface Pro 3やVAIO Z Canvasといった評価の高いCore i版Winタブに対抗できるだけの性能と気概を持ったモデルとなりそう。基本性能での不明点(とくにCPUとメインメモリ容量)は気になるところですが、それを抜きにしても非常に注目できる仕様。

いずれにせよ、正式発表が非常に楽しみなモデルであることは間違いありません。そして願わくば、XPS 13で発揮されたコストパフォーマンスの高さも、ぜひ継承していただきたいところです。