決壊した鬼怒川の濁流にのみこまれた茨城県常総市で、周囲の住宅が流される中、1軒の戸建て住宅がポツンと残った。流されてきた住宅が衝突しても大きく崩れた様子はなく、家の中に取り残された住民は自衛隊によって無事救助された。

救出劇がテレビで中継されると、ネットでは「白い家、流されずにすごい」「作ったメーカーすごくない?」と話題を集めた。

「これで何人もの命が救われた」と白い家をたたえる

2015年9月10日13時15分ごろ、常総市三板町地区で鬼怒川の堤防が決壊。付近の住宅街には洪水が押し寄せ、家屋や木が流された。

生々しい映像がテレビ中継される中、洪水により1階部分が浸水しながらも1軒の白い戸建てが流されずに残っている姿がネットでは大きく注目された。

洪水で流されてきた付近の住宅2軒や倒木がぶつかっても、傾いたり、倒壊したりすることはなく、2階ベランダに逃げた住民は自衛隊に無事救助された。流されてぶつかった住宅にも人がいたため、「これで何人もの命が救われた」と白い家をたたえる声がネット上には相次いだ。

翌11日朝の時点でも、周囲には大破した家屋の残骸や車、倒木などが散らばる中、この家はしっかりと残っていた。

どこのメーカーが建てたのか

この住宅の頑丈さに驚いた人は多く、ネットではどこのメーカーが建てたのかと話題を集めた。外見や過去の街の航空写真などから特定は進み、旭化成ホームズ「ヘーベルハウス」の戸建て住宅であることが分かった。

ヘーベルハウスの特徴は外壁や床などに建材「ヘーベル」を採用している点だ。ヘーベルは軽量気泡コンクリートで、軽くて強度が高く、駅や高層ビルにも使われている。こうしたヘーベルの性能に合わせた鉄骨構造などが、住宅の高い耐久性を生み出している。

洪水に耐えられたのは立地など諸条件も考慮しなければならないが、ネットには、

「さすがへーベルハウス!」
「家建てる時はヘーベルハウスにしたい」

と住宅の丈夫さに感心する書き込みが相次いだ。

もっとも最近の鉄骨住宅やコンクリート住宅は耐震性能や火災に強いものがかなりあり、へーベルハウス以外でもあの濁流に抵抗することができたかもしれない。