中国の奴らに昔と今は違うということを見せつけてやる」

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は、北朝鮮の現役幹部の証言として、金正恩第一書記の口から「爆弾発言」が出たことを報じた。

建国以来「血の友誼」と呼ばれる固い同盟関係を築いてきた北朝鮮と中国だが、核実験の強行や張成沢氏の処刑などをきっかけに中朝関係は悪化。「爆弾発言」が事実なら、金正恩氏が中国との関係改善に関心がないことを示すことから、北朝鮮権力内で衝撃が走っている。

「爆弾発言」は、つい最近、金正恩氏が幹部たちを集めた席で語られたという。発言を聞いた幹部たちの多くは拍手したが、国際社会からの孤立を自ら招きかねないと不安視する幹部もいたとのことだ。

発言の真偽は不明だが、金正恩氏は、今年6月に長江で起きた旅客船沈没事故に関連して「中国に公式の弔意を示すな」との指示をしたとRFAの北朝鮮内部情報筋が伝えている。

指示を聞いた幹部たちは「不幸な目に遭った隣国に対してあんまりだ」と激しく失望。情報筋も「若い指導者が、未熟な判断で北朝鮮を孤立に追い込んでいる」と手厳しい。

金正恩氏が、中国との関係改善に消極的で「反中感情」を抱いている可能性は充分にある。上から目線で「先輩風を吹かせる」中国を毛嫌いしているようだ。

北朝鮮が、ロシアとの関係改善に注力していることも、金正恩氏の反中感情が反映されていると見られるが、「政府は、朝ロ関係に積極的に動いているが、それほど大きな効果は得られていない」という見方もある。

来月3日には中国の北京で「抗日戦争勝利70週年」記念式典が行われる。韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は、既に参加を表明しているが、金正恩氏が出席するかどうかが注目される。