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Windows XPは2014年4月にサポートが打ち切られ、Microsoftは最新のOSへの移行を推進していますが、中国政府がサポート終了後もWindows XPを使い続けていたり、イギリスとオランダの政府が延長サポート契約をMicrosoftと締結したりと、依然としてWindows XPを使い続けている国は多数存在します。そんな中、「アメリカ海軍もWindows XPを使い続けるためにMicrosoftと再契約した」と報じられています。

Navy re-ups with Microsoft for more Windows XP support | Ars Technica

http://arstechnica.com/information-technology/2015/06/navy-re-ups-with-microsoft-for-more-windows-xp-support/

Windows XPのサポートは1年前に終了したにも関わらず、いまだにMicrosoftにかなりの収益をもたらしているそうです。これはアメリカ国防総省とアメリカ政府がWindows XPの延長サポートを受けるためにMicrosoftに対して多額のサポート料金を支払っていることが大きい理由とのこと。これに加えて、アメリカ海軍の宇宙・戦争システム部隊(SPAWAR)はMicrosoftにおよそ910万ドル(約11億円)を支払うことでWindows XP・Office 2003 Suite・Exchange 2003の契約延長を行ったことが明らかになっています。

2015年4月にSPAWARが公表した契約内容によると、「アメリカ海軍全体でおよそ10万台のマシンがWindows XPで動いています。MicrosoftによるWindows XPの公式サポート期間が既に終了したため、既存の契約内容ではソフトウェアのサポートが受けられなくなりました」と説明しています。



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SPAWARは今回の契約更新について「海軍のマシンがWindows XPから新しいOSへ移行するための準備期間」としており、Windows XPを使い続けることによるリスクを最小限に抑えるため、Microsoftの修正プログラムを受けるとのこと。また、海軍の保有するWindows XPマシンの大半は船上で管理ネットワークに使われていますが、次世代ネットワークサービスの契約が遅れていることを受けて、陸上のネットワークシステムの更新も急ぎ行っているそうです。



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また、アメリカ海軍作戦部長のジョナサン・グリーナート海軍大将は「Windows XP Eradication Efforts(Windows XP一掃運動)」という指令を2014年9月に出しています。この指令は、アメリカ海軍が古いOSに頼っている状態から脱却するための計画で、海軍内では「Microsoft撲滅チーム」というグループも作られたとのこと。

なお、アメリカ海軍だけでなく、アメリカ陸軍も8000台以上のWindows XPマシンを保有しているため2015年4月に同様の契約延長を行っています。アメリカ陸軍は「2016年中にWindows XPマシンを新しいOSへの移行を完了するべく作業を行っている」としています。



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