韓国メディアの中央日報の中国語版は27日、韓国経済が円安の長期化による影響を受けていると伝え、韓国では多くの企業から「もう限界」との悲鳴が聞こえてくると報じた。

 記事は、フランスの高級ブランドであるルイ・ヴィトンのバッグを例に、韓国国内の免税店では184万ウォン(約20万4000円)で販売されているが、東京の銀座ではウォンに換算すると152万ウォン(約16万8500円)と韓国の免税店より17%も安く販売されていると紹介し、「これは円安の影響だ」と主張。

 さらに、韓国の通貨ウォンの対円レートについて2014年10月以降は「100円=1000ウォンを超えたことがない」とし、4月29日には100円=896ウォンとなり、約7年ぶりに100円=900ウォンを下回ったと紹介。鉄鋼や半導体など、韓国はさまざまな産業で日本と競合関係にあるとし、韓国では多くの企業から「もう限界」との悲鳴が聞こえてくると報じた。

 続けて、日本に船舶用エンジンの部品を輸出している韓国企業は「円安の影響を身を持って実感している」と伝え、3年前は部品価格が1キロあたり2ドル(約244円)を超えていたとする一方、15年初には1キロあたり1.7ドル(約208円)に下落してしまったと紹介。さらに顧客からは1キロあたり1.3ドル(約159円)まで値下げしないと日本企業との取引に切り替えると言われていると紹介した。

 また、ソウル市内の金属メーカーの関係者の話として「欧州では競合の日本企業が価格競争を仕掛けている」と伝え、顧客を奪われると再び取引を行うことが難しいとし、「売れば売るほど損をするが、価格を下げて販売するしかない」と伝えた。

 続けて記事は、韓国企業は「もはや我慢の限界に達している」と伝え、大韓商工会議所が「日本に製品を輸出している」、もしくは「国外で日本と競合関係にある」300社の韓国企業を対象に行った調査を紹介し、55.7%の調査対象企業が「円安を背景に、輸出で損失を被った」と回答したことを伝えた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)