アップルのデザイン担当上級副社長ジョニー・アイブ氏が、7月1日付けでアップルの最高デザイン責任者(CDO)に就任します。アップル関係の情報サイト 9to5Mac などが報じたもので、CEO のティム・クック氏から社員に向けたとされるメモの全文も同時に公開されました。

これまでアップル経営幹部は CEO のティム・クック氏と最高財務責任者(CFO)のルカ・マエストリ氏のみで、他は上級副社長(SVP)職が並んでいました。CDO としてのアイブ氏の役割は「現行デザインプロジェクトおよび新たなアイデア、将来のイニシアチブの検討」とされます。
 
[Photo credit: Michael Kovac/Getty Images for Vanity Fair]
 アイブ氏は2012年までインダストリアルデザイン担当のSVPでしたが、2012年に iOS の開発を担当していたスコット・フォーストール氏が追い出され退任。翌2013年以降はソフトウェア UI を含むデザイン全般を担当する SVP として業務に携わっていました。しかし、その担当範囲は拡大しており、最近では完成の近づく『スペースシップ』ことアップル新キャンパスのデザインにも手を伸ばしています。

アイブ氏の CDO 就任に伴い、初代 iPhone から開発に携わってきたリチャード・ハワース氏がインダストリアルデザイン担当副社長に、そして iOS 7 以降、さらに Apple Watch のソフトウェア開発を担当してきたアラン・ダイ氏が UI デザイン担当副社長にそれぞれ就任することになります。

テレグラフ紙のインタビューに対し、アイブ氏はハワース氏とダイ氏がこれまでの役割を肩代わりしてくれることで「さらに自由なデザインを考えることができる」と答えています。

ちなみにVice President、上級副社長を日本の会社に当てはめると一般的には常務または専務取締役クラスが当てはまります。日本でいう副社長よりも位が低い点には注意が必要です。