ソフトバンクの2015年夏モデルスマートフォンの中で、隠れた注目モデルの1つと呼べそうな注目機が本機ことシャープ製のAQUOS Xx。ディスプレイとして5.7インチフルHD液晶を、SoCとしてはクアルコムのSnapdragon 810を搭載する大型スマートフォンです。発売予定は「6月下旬以降」で、本体カラーはメインとなるアンバーブラックに加え、ホワイトとレッドの3色。

シャープは2015年夏モデルとして、ドコモ向けには5.5インチ液晶のAQUOS ZETA SH-03Gを、au向けには5インチ液晶のSHV32を提供していますが、本機はこれらより本体と液晶パネルの大きな、そして別設計となるモデル。つまり今期のシャープは、日本での主要キャリア3社にすべて別設計のSnapdragon 810ベースモデルを揃える体制となります。

特徴は、シャープ得意の狭額縁デザイン『EDGEST』により、大画面でありながら本体の大きさをコンパクトにまとめた点。縦長状態での大きさは幅78.5×高さ146×厚さ8.7mm、重量は約168g。5.5インチディスプレイのiPhone 6 Plus(幅77.8×高さ158.1mm)に比べると、幅こそ若干広いものの、高さは12mmほどコンパクトで、画面は対角0.2インチ大きいのがポイント。

5.7インチ液晶ともなると、いわゆるファブレット、つまりタブレット的な大きさとして認識される本体サイズですが、シャープはこうしたコンパクトさにより「5.7インチでもスマートフォンとして使えるサイズ感」とアピールしています。

また液晶ディスプレイは、光源に新開発の広色域LED『S-PureLED』を採用し、色の表示可能な範囲(色域)を広げた点が特徴。

従来モデルで採用された『PureLED』では、光の三原色(赤、青、緑)のうち、とくに赤色の色域を広げていましたが、今回は青と緑の表示範囲が広がったのがポイント。深みのある青や鮮烈な緑色などが表示可能となっています。また合わせて光の透過率を改善し、消費電力の引き下げも同時に達成した点をアピールします。

なお、S-PureLEDは同時発表されるAQUOS CRYSTAL 2をはじめ、先述したSH-03GやSHV32など、シャープ製スマートフォンの2015年夏モデルに共通して採用されています。

カメラ部も、先行発表されたSH-03G、SHV32と共通点の多い仕様。画質に関してリコーGR開発スタッフの画質認証「GR Certified」を取得した点をはじめ、光学式手ブレ補正機能や4K動画撮影にも対応します。

さらに微速度動画撮影機能として、フルHD解像度でも120fpsでの撮影と、最高1200fpsでの再生が可能なスーパースロー映像モードも搭載します。

シャープが積極的にアピールするエージェント機能「エモパー」も、最新バージョンバージョン2.0を搭載。ユーザーからの返事への応答や、イヤホン経由でのおしゃべりが可能になっています。

AQUOS Xxは、比較的コンパクトなモデルを得意とするシャープ製スマートフォンとしては異例とも呼べそうな大画面に加え、基本性能面でも2015年夏モデルのハイエンド水準をキープするという意欲的なモデルです。ソフトバンク専用設計モデルという事情も相まって、店頭などではちょっと目を惹く存在となるかもしれません。