国民的人気番組といえる、日曜夕方放送のご長寿アニメ「サザエさん」(フジテレビ系)。古き良き家庭像にホッコリしつつ、明日からまた始まる仕事漬けの1週間を思って少し憂鬱に・・・というビジネスパーソンもいるだろう。

そんな「サザエさん」に、「時代にそぐわない」との指摘が飛び出した。「サザエさんも働きに出るべきだ!」というのだが、この提言、賛成できる?

「働きながらタラちゃんを育てるサザエさんを見てみたい」

「サザエさん」で先日、「スーパーのお姉さん」という話が放送された。

サザエさんがスーパーでパートを始め、一口ぎょうざの店頭販売では多くの客を集め成功をおさめるのだが、忙しさで帰りが遅くなり、家で待つタラちゃんが「遅いですー」「スーパーのお姉さんは嫌いですー」と寂しがってしまう。結局2日ほど働いて、「タラちゃんも寂しがってるし、働くためにはもう少し体を鍛えないとね」と言ってあっさり辞めてしまった・・・というストーリーだ(2015年4月26日)。

この内容について、中小企業診断士・小紫恵美子氏が、コラムサイト「シェアーズカフェ・オンライン」に感想を投稿している(15年4月27日)。

11年時点で共働き家庭の世帯数が専業主婦家庭を上回ったという男女共同参画白書(12年)のデータを示した上で、

「日本では半数以上の家庭が共働きになっているにもかかわらず、サザエさんが未だに基本的には働きに出ないでいることに、ずっと、違和感をもっていました」。

そして今回のストーリーについて、「働くなんて子どもがかわいそう、という一昔前の価値観を思い出します」と残念がる。

サザエさんの家は大家族で、フネ、カツオ、ワカメちゃんがタラちゃんの面倒を見てくれるし、「本来はサザエさんが働きやすい家のはず」。

「保育園を探すサザエさん、お友達と楽しく遊ぶタラちゃんがたくましく成長し、むしろ働くサザエさんを励ます姿などがあれば、明日からまた会社だわ、と思っている日曜の夜の全国のお母さんをほっとさせてくれるに違いありません」

として、「いきいきと働きながら大家族の中タラちゃんを育てるサザエさんも見てみたい」と私見を述べている。

磯野家は裕福だから働く必要がない!?

この記事がツイッターを中心にネット上で議論を巻き起こしている。

「国民的ほのぼのアニメに現在の女性を当て嵌めてどうする」「携帯電話もパソコンも(ほとんど)出てこないアニメに今どきの価値観を持ってきてどうするんだ?」

と、「指摘はナンセンス」という意見や、

「都内に持家あって父親が現役で親世帯と同居で(アニメ版では)マスオは早稲田卒。これで働く24歳の主婦って現在でも居なくね?」「核家族なら働き手が旦那独りより共働きの方が家や車のローンもクリア出来るの早いが、磯野家は2世帯で頻繁にレジャーに出かける割りと裕福な層だろ」「別に働くお母さんを批判するわけじゃないしむしろすごいと思うけど、うちは小さい頃お母さんがずっと家にいてくれて嬉しかったよ。タラちゃんの気持ちわかる」

など真面目な観点から「サザエさんは働かなくてもいい」という意見、

「全くその通りだwフネさんがいるから安心して働けるしまだ若いじゃないか」「この考えには意外と共感。雇ったスーパーも2日で辞められたらたまらんよね」「週3くらいで働いてる設定にすれば、いままで通り日常のサザエさんと働く編がみれて楽しそう」

と、小紫氏に共感するという書き込みもある。

タラちゃんを保育園に送り届けて出勤、フネさんが作ってくれた弁当を出先の公園でかっこみ、マスオさんに上司の愚痴を聞かせながら晩酌・・・そんなサザエさん、あなたは見てみたい?(MM)