年下男子との恋愛を読み解く売れ筋本をブックコンシェルジュがセレクト

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7歳年下のフリーターに恋する三十路直前の女性の恋愛を描いたマンガ『脳内ポイズンベリー』が映画化されて5月9日に公開されたり…年下男子との恋愛や結婚は当たり前になってきたこの頃。さりとて年下男子と恋愛をしたことがない女子も少なくないのでは? 

そこで、年下男子との恋愛を描いた売れ筋本を3冊、“新井賞”たる新たな文学賞を作った三省堂書店有楽町店・文芸書担当の新井さんに選んでもらった。年下男子とのさまざまな愛の形を描いた物語に没頭したら、自分の恋愛にも活かしてみる?◆尊敬から始まった年の差婚。年下夫が彼女を失った後に思うことは?


自身が務める会社の社長でもあった年上の妻を交通事故で失い、会社からも故郷からも追われた亮介。芸能界で成功するという夢に破れて、銀座のキャバレーで働く紗希。空虚な2人が出会ったとき、運命が歪み始める…。思いもよらない結末に衝撃が走る、直木賞受賞作家の最新作。

「主人公の亮介は、10歳年上の上司である社長からプロポーズされて結婚するんですよね。キャリアウーマンと彼女のために人生を生きる年下男性、という構図は今の時代を反映しているような関係性だと思います。『それを愛とは呼ばず』というタイトルは、物語のほかの出来事にもかかっているのですが、2人の関係にも言い当てられる。その辺りも加味して読んでほしいです」

『それを愛とは呼ばず』桜木紫乃著/幻冬舎/1512円

◆不朽の名作の現代版。年下男子を思うままに操る女性の歪んだ愛


主人公・真由子は45歳の編集者。父親は作家で実家はお金持ちのお嬢様。しかし、隣に引っ越してきた成金の娘・百合によって、父親と初恋の相手を奪われてしまう。百合の息子に直巳と名付けた日から、すべてを失った真由子の復讐が始まった…。山田詠美が谷崎潤一郎の小説『痴人の愛』に挑んだ愛憎劇。

「大切な2人を失った真由子は、百合と真由子の初恋の相手であり、リョウ兄さまと慕っていた男性と百合の間に生まれた男の子・直巳を、自分好みの男性に育てることで復讐を果たそうとするんです。この小説で描かれているのは歪んだ形の愛ですが、ふた回り近く年下の青年に恋焦がれられる構図は、妙齢の女性に勇気を与えてくれるのではないでしょうか」

『賢者の愛』山田詠美/中央公論新社/1620円

◆店主と姉さん女房のラブラブエピソードにほっこり


とある町の路地裏にひっそり立つ料理店「ひとくちや」。店に集まる人たちの悲喜こもごもを料理に絡めて描いた全カラーコミック。1話完結型のエピソードを8話収録しており、料理のレシピも登場。

「7話目に登場する料理店『ひとくちや』の主人クマさんは、お客さんのリクエストに必ず応えるという凄腕の持ち主。誰かのためになりたいという気持ちが強いんですよね。そんな人柄のおかげで、美人でキャリアウーマンの姉さん女房を得ることができた。年の差夫婦が誕生したいきさつを描いたかわいらしい物語に、心が和むはず」

『ごはんのおとも』たな著/実業之日本社/1026円