さらに別の専門家はこう言う。
 「花粉が蔓延する今からなら、脈拍が10程度上がる軽い運動を勧めたい。あるいは、乾布摩擦や熱めのお風呂に入るのも良いでしょう。交感神経の働きが優位になり、副交感神経が過剰になるのを抑えるからです。それにより血管の収縮・緊張が増し、鼻水なども出にくくなるはずです」

 前出の体験者Bさんの例ではないが、薬を飲んでも効き目が良くなければ、適切でない薬と飲むタイミングが悪い可能性がある。
 専門家に聞けば、飲み薬はいくつかのタイプに大別できる。くしゃみや鼻水に対し比較的効果が早く表れ、鼻詰まりにもある程度の効果があるのは、「第2世代抗ヒスタミン薬」。ただ鼻詰まりに効く「抗ロイコトリエン薬」は効果が表れるまで数日間かかるという。
 くしゃみ、鼻水、鼻詰まりに効く「ケミカルメディエーター遊離抑制剤」や「Th2サイトカイン阻害薬」などもあるが、こちらも効果が出るのは1週間と時間がかかる。
 「いずれにしても、花粉症には、どの薬が症状に合うのか個人差もあるので、医療機関にかかり、しっかりと相談して処方を受けることが大切です」(専門医)

 では、この先しばらく続く花粉季節に対し、薬に頼らない予防法はどのような生活が求められるのか。再び久富院長の話。
 「皆さんは花粉が屋内で花粉症がひどく出ることを意外と知らないのです。オフィスやリビング、寝室などに、屋外から知らず知らずに持ち込んでしまった花粉を狭い空間で舞い上がらせつつ“濃く”吸い込んでしまう。つまり、その屋内に持ち込む花粉で症状を悪化させてしまうので、できるだけ減らすこと。また、持ち込んでしまった花粉は可能な限り早く減らし、速やかに除去することが求められるわけです。辛い症状を軽減するためにも肝要な事と考えてください」

 そして「住まい(部屋)」からの花粉を徹底除去する方法は、次の10カ条に集約されるという。
 (1)洗濯物は一切「外干し」は厳禁。他の乾燥技を駆使して乗りきる。
 (2)布団も同じ。天日干しは我慢。ただしダニ対策はしっかりと。
 (3)部屋の空気は「加湿」でしっとり。空気中の花粉を床に落とす。
 (4)床の掃除は夜間落ちた花粉を朝一で除去。花粉を舞い上がらせない。
 (5)部屋のハタキ掛けは花粉が舞い上がるため厳禁。掃除機使用時も空気清浄器を併用する。
 (6)室内の静電気に注意。花粉付着のため掃除はまめに。
 (7)花粉が付着しやすいフリースなどの衣類は避け、ツルツル素材にシフト替えを。
 (8)上着や帽子は玄関先まで。花粉の付着した衣類は寝室に持ち込まない。
 (9)寝る前に加湿で花粉を落とそう。枕まわりには枕カバーが必要。
 (10)花粉入り混じる外気は部屋に入れない。換気は花粉が飛ばない深夜か早朝に。
 「以上のことがマメにできるようなら、花粉症も半減すると思われます。もちろん、帰宅後は洗顔や手洗い、うがいなども大切です。眼のかゆみを伴い、上瞼に赤い腫れが出る皮膚炎の症状がよく見られますが、掻きむしらないこと。帰宅後のシャワーなども勧めです」(久富院長)

 “花粉地獄”から逃れるために、まずはできることから始めてはどうだろうか。