マンホールができるまでを解説

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 日之出水道機器株式会社の創業は1919年(大正8年)6月8日で、売上高248億円、従業員数は1091人(2015年2月現在)でマンホールでは日本一のシェアを誇る。その栃木工場にお邪魔して、百目鬼(どうめき)光・工場長にマンホールができるまでを教えてもらった。

「当工場では主に東日本(静岡以東)で使われるマンホールを製造しており、製造に必要となる母型は約5000種類保有しています。製造はほぼ自動化されており、マンホール1枚を作るには約3日かかります。多種類少量生産できることが特徴で、1日に100種類ほど生産することもあります。機械化されていますが繊細な技術を要し、一人前になるまで10年かかるような手作業の工程もあります」

 日本の鋳物技術の高さは世界でも有名だ。同社が開発した「次世代型マンホール」にも最新技術が詰め込まれている。

「車道用には、雨の日でも滑りにくい表面デザインを採用しています。歩道用は車椅子やベビーカーのタイヤがスムーズに進み、かつ転んで手をついても怪我をしにくいよう設計されています。これらの性能を有しながら耐久性を両立するには高い鋳造技術が必要なのです」(同前)

 路上を注意深く見るとマンホールの周囲の舗装がひび割れていることがある。原因は蓋と受け枠にガタつきが生じているためだ。同社の製品では、そうしたガタつきを防ぐための技術も盛り込んでいる。

 生産されたマンホールは1枚約6万5000円、カラーのデザインマンホールは約10万円(色数などで異なる)。

「マンホールのデザインに注目が集まっているのは嬉しいですが、最も重要なのは安全性や作業のしやすさです。公共物を生産する立場として、注目されればされるほど気が引き締まります」(同前)

撮影■渡辺利博

※週刊ポスト2015年4月17日号