好みの端末に好みのSIMカードを挿す傾向も

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 ガラケーを使っているユーザーは「スマホは月額料金が高い」と敬遠している人も少なくない。しかし、今使っている携帯の10分の1以下、毎月“ワンコイン”で利用できるとしたらどうだろうか。全国の家電量販店で、一番いい場所を占めているスマホ売り場では、4月に入ってますます客足が伸びている。

 この春、通信事業者各社が続々と値下げしたり月額料金に含まれる「高速データ通信量」を増やしたりしてサービス合戦を繰り広げたことにより、これまで「スマホは高い」と思っていた人たちがこぞって店頭に訪れているのだ。

 中でも盛況なのは、NTTドコモやau、ソフトバンクといった大手キャリア(通信事業者)ではない、「SIMフリースマホ」向けのブースである。大手家電量販店の店員はこう話す。

「現在、6〜8社のSIMカードを取り扱っています。毎月の料金が抑えられると非常に評判がいい。30〜50代の男性を中心に、幅広い層に購入いただいています」(ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba・携帯電話コーナーマネージャー・飯泉達也氏)

 最安では月額480円で使えるプランのSIMカードまである。SIMカードを挿すスマホ本体の価格もスペックは低いが大手キャリアより安価なものが多く、安い機種では数千円、ASUSの「ZenFone 5」、ファーウェイの「Ascend G620S」といった人気機種も2万〜3万円程度で手に入る。

 格安プランを実現した「SIMフリー」とは何か。

 国内で販売されているスマホやタブレットを使うには、本体に「SIMカード」という契約者情報や電話番号が登録されたICカードを挿入する。各社同じ規格のSIMカードを使用しているにもかかわらず、大手キャリア3社の場合は、「ドコモで買った端末(本体)にはドコモ回線のSIMカードしか挿せない」といった縛りがある(SIMロックと呼ぶ)。

 それに対し、自分の好きな会社の端末とSIMカードを組み合わせて使えるのが「SIMフリー」で、簡単にいえば通信事業者を自由に選べる仕組みである。新興の通信事業者は料金体系やサービス内容を独自に決めて大手に対抗している。スマホ評論家の新田ヒカル氏が解説する。

「5月からは大手キャリア3社のSIMロック解除が義務づけられ、今よりもさらに“好みの端末に好みのSIMカードを挿す”ユーザーが増えるでしょう。それに先駆けて各通信事業者は、顧客取り込みのため格安プランを競い合っているのです」

※週刊ポスト2015年4月17日号