記者会見時は必ず前方真ん中の席に座る賀川浩氏

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 60年以上もの長きにわたり世界のサッカーを見続けてきた男の目に、ハリルホジッチ新監督の采配はどう映ったのだろうか。サッカー日本代表・ハリルJAPANは、初陣となった3月27日のチュニジア戦を2-0で快勝すると、31日のウズベキスタン戦でも5-1の大勝。最高のスタートを切った。

 この2試合を見て、新指揮官に合格点を出したのが、サッカーライターの賀川浩氏(かがわ・ひろし。90)である。

「これまでの日本代表はボールを横に回すことが多かったが、ハリルホジッチは『縦へつっかけろ』というメッセージで、ディフェンスの裏にボールをどんどん出させていました。これは点を取るための正しい戦略です。

 欧米に比べて体格で劣る日本が世界で戦うには、『忙しいサッカー』をするに尽きる。つまり相手より走り、常に前を意識して早いテンポでパスを回すサッカーです。まだ2試合ですが、ハリルホジッチはこのことをきちんと理解している監督だと感じましたね」

 賀川氏は1952年からサッカー取材を開始し、昨年のブラジル大会までW杯を10度現地取材するなど、90歳となる今も現役バリバリのサッカーライター。今年1月には、取材を通して日本とアジアのサッカーの発展に貢献したことが評価され、FIFA会長賞を受賞した。

 日本代表に対して常に温かくも厳しい眼差しを向けてきた第一人者は、今のメンバーに足りない点を次のように指摘する。

「何よりシュートの精度を上げることです。19歳のマラドーナがワールドユースで来日した時、他の連中がやめてもずっとフリーキックの練習をしていました。日本の選手も若いうちからゴールに向かってボールを蹴る練習をもっとしてほしい。簡単なことだけど、これができていないのが日本の現状です。

 それから、今の日本には今回のウズベキスタン戦の岡崎(慎司)のような、がむしゃらにボールに食らいつく姿勢と何が何でも点を取るというマインドを持った選手が必要です。こういった選手が増えれば、日本はもっと強くなれるはずです」

 2018年のロシアW杯では“世界のカガワ”が綴った日本の歓喜をぜひ読みたい。

撮影■ヤナガワゴーッ!

※週刊ポスト2015年4月17日号