アパートを建てると
相続対策になるって
ホント?

土地の有効活用と相続対策を絡めて、土地所有者に対してアパート建設を提案する業者が数多くあります。今年から相続税の基礎控除が下がったので、そのような業者はより積極的に営業していることでしょう。

確かに、土地が更地のままだとまったくお金は生まれず、毎年、固定資産税や都市計画税がかかるだけです。相続が発生したとき、更地だと路線価でそのまま評価されます。
それがアパートを建てれば、その後の家賃収入が見込めるだけでなく、アパートを建てた土地は、貸家建付地として評価されるので、更地に比べると路線価による評価額の7割から8割程度の評価額として相続時にカウントされます。さらに、アパートを借入金で建てれば、借入金の残高はプラスの相続財産と相殺されますので、相続財産を減らす効果が期待できるため、相続対策になるというわけです。

しかし、当然ながら注意も必要です。いくら相続財産の評価を下げられるとはいえ、立地の悪いところにアパートを建てても、入居者が安定的に入らなければ家賃収入はそれほど期待できません。借入金でアパートを建てたときには、その返済負担に相続人が苦しむことになる可能性もあります。家賃保証を付ける業者もありますが、当然ながら業者にとって採算の合う水準で決められるので、家賃保証付きが有利になる可能性は低いでしょう。

重要なのは、「相続対策になる」という言葉につられるのではなく、立地や環境を分析しアパート経営としてきちんと成り立つのかどうかを十分に検討すべきでしょう。(菱田雅生)

この記事は「ネットマネー2015年4月号」に掲載されたものです。