中国経済の質的改善の進行を受け、2015年の中国株は「6年ぶりの大相場が到来しようとしている」と分析しているのは、TS・チャイナ・リサーチ代表の田代尚機氏だ。では、どんな銘柄が狙い目なのか。田代氏が注目する中国株の個別銘柄を紹介する。

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 最大の狙い目は「国家戦略」に乗ることに尽きる。現在、中国は米国が主導するTPP(環太平洋経済連携協定)に対抗する形で、「一帯一路」政策を進めようとしている。これは陸のシルクロード(一帯)として鉄道や道路、海のシルクロード(一路)として港湾、海運などを整備することで、中国から中央アジア、ASEAN(東南アジア諸国連合)、そしてヨーロッパに至るまで大開発を進める戦略だ。

 資金面では、アジアインフラ投資銀行やシルクロード基金に加え、ASEAN諸国を巻き込んだ「海上シルクロード銀行」の設立も検討されている。こうした一連の政策によって、中国の貿易構造が大きく変わる見通しだ。

 この長期的な戦略の担い手として期待が高まる一社が、アジア、アフリカ、南米など海外の発電所設備関連の建設を請け負う中国機械工程(01829)である。業績も2015年12月期は20%超の増収増益を見込み、株価は上場来高値の更新はもちろん、まだまだ上値が望める。

 同じく建設関連では、国内大手3社のなかでも海外比率の高い中国交通建設(01800)、本土や香港、マカオにおける住宅、ビル、インフラ建設が中核の中国建築国際(03311)も挙げておきたい。

 鉄道車輌製造の中国南車(01766)は昨年末、中国北車を合併吸収すると発表。業界を一手に握ることで収益基盤が安定するほか、一帯一路に沿った海外部門の急成長が期待される。

 さらに、こうしたインフラ網の整備で大きな発展が見込まれる物流サービスにも注目。嘉里物流(00636)は香港を拠点にアジア、欧州などで物流サービスを展開。中外運(00598)は陸海空の貨物輸送や倉庫、港湾など総合的な物流サービスを提供し、貨物運送代理業では中国最大と、いずれも一帯一路政策が追い風となるのは間違いない。

※マネーポスト2015年春号