Q:不眠症のために病院で睡眠導入薬を出してもらっています。服用し始めて半年後には効きが悪くなり、以前の倍の量を服用しないと効かなくなりました。そのくせ朝はボーッとします。このままだと仕事にまで支障をきたしそうで不安です。アドバイスをお願いします。(28歳・証券会社勤務)

 A:睡眠不足でも、眠り過ぎでも寿命が縮まるとのデータがあります。過睡眠で寿命が縮まるのは、特に男性にこの傾向がみられます。なかなか眠られないし、眠れば朝は9時、10時を過ぎても寝ているというパターンは非常に危険です。
 睡眠に関係している物質にメラトニンがあります。メラトニンは、人間の脳が生理的に作り出しているホルモンです。このメラトニンと光が睡眠の自然な周期を形成します。
 メラトニンは、体内時計に働きかけることで覚醒と睡眠を切り替え、自然な眠りを誘う作用があります。その分泌は午後10時から急上昇し、午前0時から2時にピークがあり、早朝5時から6時に急降下します。
 メラトニンの分泌は、まさに太陽光によってコントロールされています。光に関しては、人類が電気を人工的に作り出し、電球から蛍光灯へ、さらに青色LEDを発明したのは人類史上ではごく最近のことです。

●夜は照明を薄暗くしよう
 日本は、大人も子供も夜遅くまで、スマホでゲームやメールをしています。これではメラトニンの分泌が抑制され、何時になっても眠くならず、気づけば午前2時ということになります。
 夜、光を見ることは、メラトニンの分泌を抑制します。しかも、液晶画面に使われている青色発光ダイオード(LED)には、もっとも強力なメラトニン分泌抑制作用があるのです。
 LEDを開発した3人の日本人研究者はノーベル賞を受賞しました。LEDは、LED照明をはじめ、さまざまな技術分野で世界を変える可能性を秘めているといわれます。
 しかし、使い方を間違えば日本人総不眠症となり、亡国へと繋がらないだろうかと危惧しています。
 午後からはカフェインの摂取を控え、夕食後は蛍光灯はつけず、薄暗い白色電球にするなど、就寝への準備をしてください。
 そうして、10時には自然と眠くなるように体がコントロールされるよう習慣づけましょう。そうすれば、睡眠導入剤の量が減るかもしれませんよ。

牧典彦氏(小山病院院長)
自律神経免疫療法(刺絡)や加圧トレーニング、温熱療法、オゾン療法など保険診療の枠に捕われずベストな治療を実践。小山病院(大阪市東住吉区)院長。