<ヤマハレディースオープン葛城 最終日◇5日◇葛城ゴルフ倶楽部山名コース(6,548ヤード・パー72)>
 「地元を盛り上げたい」という渡邉彩香の想いが叶った瞬間だった。静岡県にある葛城ゴルフ倶楽部 山名コースで開催された国内女子ツアー「ヤマハレディースオープン葛城」の最終日。首位と5打差の4位タイからスタートした静岡県出身の渡邉が逆転優勝でツアー2勝目を挙げた。
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 「今日は朝の練習場でショットが悪くて…」という状態でティオフした渡邉。案の定、1番でティショットを右に曲げてのボギー発進。それには「正直どうなることかと思った」という。しかし続く2番でバーディを奪うと、続く3番で方向性重視の6〜7割のティショットで連続バーディを奪取、流れを作る。
 8番では3オン2パットのボギーを叩いてしまったが次の9番で5メートルをねじ込みすぐさまバウンスバック。強気で放ったパッティングで「もっと獲れるな」とこの日のプレーに自信を深めた。その後も着実にスコアを伸ばし、首位に浮上した。
 「途中ボードを見て接線ということがわかって。すごい緊張してました」という状態の中、1打差で迎えた最終18番パー5。残り63ヤードと微妙な距離のサードショット。キャディを務めた小畑貴宏氏が「練習していた距離でした。ただ、あの状況、プレッシャーの中で力を抜いて打たないといけない距離。それがすごく上手くいった」と絶賛のショットがピン側にピタリ。1打差で渡邉を追いかける同組の前田陽子がバーディパットを外したのを見届けた後、きっちり決めてガッツポーズ。ハイタッチでキャディと喜びを分かち合った。
 今大会は予選ラウンドを終えた時点で藤本麻子が独走する展開だった。難コース葛城で2位と7打差をつける一人旅に「藤本さんだけ違うコースを回ってるんじゃないかな」と笑うしかなかった。だが、「優勝は無理かもしれないけど、地元だし1つでも順位を上げることで、静岡が盛り上げていきたい」と気持ちを切らさずプレー。一打一打に集中して72ホールを戦いきり最高の結果を出した。
 渡邉は静岡でも熱海の出身。今大会の舞台である葛城ゴルフ倶楽部のある袋井市からは少し距離があるが、ここ葛城は“思い入れのある”コースだという。ジュニアのころから県アマなどで回っておりよく知っている。もちろん難しさも。そんな葛城ゴルフ倶楽部での勝利に「喜びは倍です!」と自然と笑みがこぼれた。
 この勝利は史上初となる静岡県出身者の静岡県開催トーナメント制覇。これはデビューしたときに渡邉が語っていた夢でもある。優勝インタビューでは「昔から知ってるコース、そして静岡で結果を残せてすごく嬉しいです」とはにかんだ。有限実行を果たした渡邉が荒天の中訪れた地元ギャラリーを熱気で包み込んだ。
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