【警告】G大阪=遠藤 名古屋=ダニルソン
【退場】なし
【MAN OF THE MATCH】今野泰幸(G大阪)

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【試合内容】
 雨の影響でともにプレーの精度を欠くも、徐々にG大阪が流れを掴むと、右サイドからの仕掛けを起点にチャンスを創出。前半終了間際には宇佐美のクロスが相手DFのクリアミスを誘い、ホームチームがリードを奪った。
 
 後半早々には、阿部のスルーパスに米倉が抜け出し、最後は宇佐美がゴールを決めてG大阪がリードを広げる。一方の名古屋も松田を投入して攻撃を活性化すると、CKから永井が1点を返す。その後は一進一退の攻防となったが、最後は今野が今季初ゴールを叩き込み、G大阪が今季2勝目を飾った。

【J1採点&寸評】全9カードの評価をチェック!

 
【チーム採点・寸評】
G大阪 6.5
常に先手を取る展開で優位に試合を進めた。後半は押し込まれる時間もあったが、要所で個々が奮闘し、最後まで組織が崩れず。
 
名古屋 5.5
不運な形で失点し、上手くリズムを作れなかった。サイドを突かれる場面が多く、そこを修正できずに失点を喫した。
 
【G大阪|採点・寸評】
GK
1 東口順昭 6
クリアミスから大ピンチを招くも、身体を張って川又の突破を阻止。濡れたピッチを考慮したスローインはさすがで、ビッグセーブも見せた。
 
DF
4 藤春廣輝 6
タイミングの良い上がりでエリア内に何度も侵入し、相手の脅威に。守備でも高い集中を保ち、安定したパフォーマンスを披露した。
 
5 丹羽大輝 6
川又らと激しい競り合いを繰り広げ、的確に間合いを詰めて潰した。岩下との連係も良く、相手の攻撃陣に形を作らせなかった。
 
8 岩下敬輔 6
エリア内に飛び込む相手を視野に入れながら、身体を張ってクリアするなど安定感が光った。CKからの失点も事故のようなもの。
 
14 米倉恒貴 6.5
好連係から何度も裏を突き、後半早々にはエリア内にフリーで侵入して宇佐美のゴールをお膳立て。思い切りの良い上がりが得点につながった。
 
MF
7 遠藤保仁 6
自身のパスミスを挽回しようとファウルを犯す場面も。前半はシンプルにボールを捌いて起点となるも、後半途中からボールを追う場面が増えた。
 
11 倉田 秋 6
最後のシュート場面で精度を欠くも、仕掛ける意識が強く、豊富な運動量で守備でも貢献。交代するまできっちり自身の役割を果たした。
 
13 阿部浩之 6
足もとの技術を駆使してボールを落ち着かせ、絶妙なスルーパスで2点目の起点に。守備のタスクもこなしたが、後半はさすがに運動量が落ちた。
 
15 今野泰幸 7
G大阪では今季初先発。カウンターを受けた際には危機察知力を発揮し、機を見た上がりで3点目を決めるなど、攻守にわたって質の高い仕事を見せた。
 
FW
29 パトリック 5.5
前半から裏のスペースに走り込み、主に右サイドで起点に。ただ、この日は周囲とのコンビネーションが少なく、存在感は希薄だった。
 
39 宇佐美貴史 6.5
際どいコースのクロスで相手のクリアミスを誘い、後半には今季4点目。終盤のチャンスを何度か外したのは反省材料ながら、要所でのパスやシュートが光った。
 
交代出場
MF
19 大森晃太郎 6
疲れの見えた倉田に代わって出場。ベンチスタートの悔しさを晴らすかのようにがむしゃらにボールを追い、藤春との連係で好機も作った。
 
FW
9 リンス ―
力強い突破でゴール前までボールを運ぶも、その後のプレーで精度を欠く。守備面も含めると、やや物足りなさが残った。
 
MF
33 小椋祥平 ―
宇佐美に代わってロスタイムに出場。ダニルソンとの球際の競り合いで“らしさ”を見せたが、プレー時間は実質ほとんどなく、特に見せ場は訪れず。
 
監督
長谷川健太 6
今野を先発で起用し、昨季のような守備の強度が復活。一方の攻撃では、名古屋の右サイドを上手く攻略し、常に先手を打つ展開で優位に立った。
【名古屋|採点・寸評】
GK
1 楢粼正剛 5.5
開始早々にファンブルからピンチを招くも、以降は徐々に安定。ただ、押し込まれる時間が増えた後半は大忙しで、2点を献上した。
 
DF
3 牟田雄祐 5
宇佐美の低いクロスにヘディングでクリアを図るも、距離感を誤ってオウンゴールのような形で先制点を献上。このミスで試合の流れが大きく変わった。
 
4 田中マルクス闘莉王 5.5
空中戦ではパトリック以上の強さを発揮。球際での対応はソツがなかったものの、サイドを突破される場面が多く、中央でのマークがずれた。
 
6 本多勇喜 5
パトリックに裏を突かれる場面が散見し、米倉に突破を許して失点。さらに、今野にボールを奪われてピンチを招くなど、不安定なプレーが目に付いた。
 
19 矢野貴章 5.5
終盤こそ上がる場面が増えたが、守備に追われる時間が続き、攻撃面で持ち味を発揮し切れず。裏を突かれる場面も少なくなかった。
 
MF
8 ダニルソン 5.5
持ち前のフィジカルを活かし、中盤の底で潰し役に徹したが、持続力がなかった。後半途中からガス欠気味で、広範囲をカバーし切れず。
 
10 小川佳純 5.5
倉田や藤春に対応するも、時に寄せが遅れ気味になる場面も。先制点を献上したのも、右サイドからだった。
 
11 永井謙佑 5.5
守備での寄せるスピードこそ光るも、足もとにボールを収められず。CKのこぼれ球から1ゴールを奪うも、そのスピードで相手を振り切る場面はなかった。
 
20 矢田 旭 5.5
高精度の左足でCKからゴールを演出し、FKでもチャンスを作り出した。ただ、崩しの局面で効果的に絡めなかった。
 
22 小屋松知哉 5.5
攻守にわたって顔を出し、後半には惜しいシュートも放った。運動量は評価できるも、ビルドアップ時に工夫を欠き、単調になった感は否めず。
 
FW
32 川又堅碁 5.5
前線のターゲットマンとして身体を張り、中央でひとり奮闘。ただ、エリア内で勝負する場面は限られ、得点に絡めなかった。
 
交代出場
FW 
17 松田 力 5.5
投入早々から全力疾走で攻撃を活性化したが、その効果は長く続かず。徐々に存在感が薄れ、相手の守備網にひっかかる場面も増えた。
 
FW
34 グスタボ 5.5
高い位置を取って攻撃に絡もうとする意図は見て取れるも、肝心のボールがなかなか入らず。個人技で局面を打開するシーンもなかった。
 
MF 
13 磯村亮太 ―
2点のリードを許しているなかで投入されて今季初出場。エリア内に入り込んでシュートも放ったが、得点には至らず。
 
監督
西野 朗 5.5
3枚の交代カードで攻撃を活性化した手腕は評価。ただOGでゲームプランが崩れた感は否めず、1試合を通じて後手を踏んだ。

 
取材・文:大木 勇(サッカーダイジェスト編集部)

※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を平均とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。