大阪場所で34回目の優勝を決めた横綱・白鵬。だが、支度部屋の最も奥に陣取り、ビールケースの上に座って壁を向き、報道陣の問いかけに対して無言を貫き通した。

 じつは過去にも支度部屋で壁に向かって座り、記者の質問に答えようとしなかった力士が2人いた。

 1人は1991年春場所、前頭13枚目で史上最年少優勝が懸かった貴花田(現・貴乃花親方)だ。11連勝した11日目から“壁向き座り”をするようになった。だが貴花田は、その意図を記者に説明していた。

「余裕がないんです。集中力を高めたいから沈黙で押し通します」

 その言葉に、当時の出羽海理事も容認の姿勢を示していた。もう1人のケースは少し異なる。

 2004年9月場所、負けた後に支度部屋に戻ってきて壁を向いて座り、何も語らなかった横綱・朝青龍だ。2005年3月場所、そして2009年5月場所でも壁に向かって座り、報道陣を無視。説明は一切なかった。今の白鵬は朝青龍に近いといわざるを得ない。

「腹に据えかねることは多いだろうが、このままではあの“問題児”朝青龍と同じだといわれてしまう。それは横綱にとっても良くないことだと思うのですが」(白鵬に近い角界関係者)

 久しぶりに口を開いた優勝力士の一夜明け会見について、ある社は「謝罪の言葉が語られることはなかった」、別の社は「思いが伝わらない悩める胸中を打ち明けた」と硬軟両派の姿勢が窺えた。

 今後、白鵬がどのマスコミに対してどのように対応するか。横綱と記者の睨み合いが続くことは間違いなさそうだ。

※週刊ポスト2015年4月10日号