全2ゴールに絡んだチュニジア戦から一転、見せ場を作れなかった香川。若手の突き上げもあり、「10番」は正念場を迎えている。 写真:菅原達郎(サッカーダイジェスト写真部)

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 4日前のチュニジア戦では途中出場ながら得意のトップ下で躍動。全2ゴールに絡み、終了間際には宇佐美に超絶スルーパスを通すなど貫録を見せつけた香川真司は、完全復活への足掛かりを掴んだ印象さえあった。

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 しかし──。満を持してスタメンに名を連ねたウズベキスタン戦は「点を取る。勝ちにこだわる」という意気込みでトップ下に入ったものの、なかなか良い形でボールを引き出せない。
 
「後半から少し引いた位置でプレスを掛けられるようになって守備がハマるようになった」と、本人が語ったのはディフェンス面の手応え。肝心の攻撃面では輝きを放てず、結局、ゴールに関わらないまま69分に途中交代を余儀なくされた。
 
 見せ場らしい見せ場は、前半終了間際に放ったライナー性のシュートぐらい。4日前の“溌剌とした10番”は、そこにはいなかった。
 
 プレー同様、ミックスゾーンに現われた香川のコメントも歯切れが悪かった。
「前半のうちからもっと上手く試合を運べていたら」
 と反省を口にし、記者団からの「ゴール前に自分は入れた感覚はあるか」という質問には、
「う〜ん、どうですかね。分からないです。まだもっとできると思いますが……」
 と言葉を濁した。
 
 左サイドに縛り付けられたザッケローニ時代、インサイドハーフに固定されたアギーレ時代には“エクスキューズ”があった。本職のトップ下ではないから本領を発揮できないだけだ、と──。だが、トップ下が明らかに主戦場になりそうなハリルホジッチ政権下では、もはや言い訳は許されない。
 
 それが分かっているのは、誰よりも香川自身だ。
「個人的に結果を残さないといけない。若い選手も出てきて良いチームになっているので、自分も最後のところで相手の脅威にならないといけない」
 
 フレッシュな選手がさらに出てくれば、弾き出されるのはこの自分――。そんな危機感があるのだろう。いずれにしても、正念場に立たされているのは間違いない。全盛期の輝きを取り戻し、「10番」としての威厳を再び見せられるのか。
 
 縦への意識が強いハリルジャパンのサッカーは、「ドルトムントと共通しているところがたくさんある」と言う。ロシア・ワールドカップ2次予選まで、残り2か月あまり。共通点が多いというそのドルトムントで、ふたたび証明するしかない。「10番」としての真価を、だ。
 
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)