豪快なダイビングヘッドで2点目を決める岡崎。2試合連続ゴールとなった。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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「ゲット、ゴール!!  ゲット、ゴール!! お〜かざき、ゲット、ゴール!!」
 
 東京スタジアムに鳴り響く、サポーターのチャントに応えるように、岡崎慎司は後半早々の54分、太田宏介のピンポイントクロスに“代名詞”のダイビングヘッドで合わせ、2試合連続でゴールネットを揺らした。
 
 チュニジア戦同様、チームのコンセプトは「速い攻撃」と「前からプレッシャーをかけ続けること」。そのなかで、「あまり動くな」と指示を受けていた岡崎は、中央の位置取りをキープしながら、時には屈強な相手DFの前に入ってボールを収めてタメを作り、時には相手との駆け引きで出たり入ったりを繰り返すなど、最前線で攻撃をリードした。
 
 代表通算43得点目となる前述のゴールシーンを、「みんなが中に入っていたので、後ろから回って行ったらボールが来た」と振り返った。
 
 クロスを上げたのは、清水時代に同僚だった太田とあって、「宏介がよく見てくれていた。あれは宏介のゴールと言ってもいい。エスパの時から一緒にやっていたので、久々にアシストを受けられて良かったし、感謝しています」と労った。
 
 ウズベキスタン戦は、前戦よりも「(前へ)出て行くスピードは速かった」と振り返る。63分には、クサビのパスを叩いてからの連係でカウンターを引き出す、前日に繰り返していた練習どおりの展開を体現。少ないタッチ数でのスピーディかつリズムのある攻撃に「上手く行った時の気持ち良さを感じた」と手応えを語る。

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 ただし、この日は自身の充実感よりも、「若い奴らが点を取れたのが大きかった」と話す。80分には、柴崎ががら空きのゴールに放ったロングシュートを押し込むチャンスがあったが、相手DFをブロックして後輩にゴールを“譲った”。
 
 いわばストライカーとしての見せ場で、あえて黒子役に徹したプレーに、ハリルホジッチ監督も試合後「岡崎はチームのために、柴崎にゴールを取らせた。おそらくこれが私にとって一番スペクタクルだったかもしれません」と名前を挙げて賛辞の言葉を送っている。
 
「最初は行くつもりだった。でもボールが微妙で、歓声もすごかったので、ここで俺が触ってしまったら……と触るか迷った。ドイツだったら確実に触っている(笑)」とはにかむが、「いつでも決められる準備をしていた」からこそ、相手DFにスプリントで勝利してゴールを演出できたのだ。
 
「ゴールは選手にとってバロメーターになると自分は知っているので、あれは岳のゴールでいい。ああいったカウンターができたのが一番大事だし、(岳の)次のモチベーションになればそれでいいと思う」
 
 そうチームリーダーとしての自覚を覗かせる岡崎は、ハリルホジッチ監督の下でのサッカーについてこう言葉を続ける。
 
「速いサッカーになればなるほどしんどくなる。それを(1試合)通してやることの難しさを感じた。それでも一から変えようという監督の熱意は、自分がこれまで感じていることと共通する部分があったし、もっと上(のレベル)に行きたいと思うようになった」
 
「チームに足りない部分を見据えて、強化していくという意味で、自分たちは大きな役割を担っていると思う。もう一度ワールドカップに出て、戦いたい――。そこにみんなで向かっていこうと一体になっている。おそらく、監督はこのメンバーだけじゃなく、本当に多くの選手にチャンスを与えると思う。競争も激しくなるし、その改革の1回目ということで、監督のことを信じて付いていきたいと思った」
 
 岡崎は、アジアカップですべての人を「ガッカリさせてしまった」とその悔しさを心に深く刻んでいる。再スタート――。そう位置づける2連戦で、変化を見出せたことにやる気を漲らせている。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)