【U-22日本代表】マレーシア戦プレビュー|久保の「トップ下起用」が攻撃力を向上させるか

写真拡大 (全3枚)

ポイント1|久保のトップ下起用
 前日練習後の囲み取材で、手倉森誠監督は、少し右足を痛めている久保裕也のトップ下での起用を示唆。負傷箇所の状態にもよるが、「滅多にない機会。短い期間でもオプションを試しておきたい」(手倉森監督)と、1次予選突破がかかるゲームのなかでも、指揮官は結果を求めるのはもちろん、戦いの幅を広げる算段でいる。
 
 2日前のベトナム戦では1トップで先発した久保だが、満足のいくプレーは見せられなかった。所属クラブのヤングボーイズでは現在、トップ下でプレーしていることも少なからず影響したはずだが、やり慣れたポジションであればベトナム戦以上のパフォーマンスが期待できる。
 
 加えて、クラブでは「今年になってからはずっとデカい奴が前にいて、(久保は)その下でやっている」という話を本人から聞いた指揮官は、「となれば、ウチにもデカいのがいますから。今度は(鈴木)武蔵と組ませてみたい」と画策する。
 
 ベトナム戦の悔しさを晴らす舞台は整った。世代屈指のアタッカーが“定位置”で輝きを放つ時、手倉森ジャパンの攻撃はさらにグレードアップする。
 
ポイント2|サイド攻撃の充実化
 引いた相手をいかに崩すかは、今予選のテーマのひとつである。大量7点を奪った初戦のマカオ戦はこの命題をクリアしたが、続くベトナム戦では2-0と2試合連続の無失点勝利も「2点“しか”取れなかった」(手倉森監督)。
 
 ベトナム戦を振り返り、手倉森監督は「やっぱりちょっと機能的ではない部分が我々の中にある」と分析する。相手は人数をかけて守りを固めてきたが、そこに対するアプローチで、選手間の距離の近さがバイタルエリアに密集地帯を生み出してしまい、攻めあぐねる要因のひとつとなった。
 
 右の松原健、左の山中亮輔の両SBが、ベトナム戦後のミックスゾーンで似たようなコメントを発していたのは興味深い。
 
「あれだけ中に固まっていたら……。もっとミドルシュートだったり、サイドからの広がりを使って、工夫した攻撃をしないといけないと思う」(松原)
 
「もう少しサイドから幅を広げて、中で勝負っていうのも選手たちと話していた」(山中)
 
 サイドからの“広がり”や“幅を広げる”ことをより意識できれば、中央に集結する敵を釣り出して、エリア内に侵入するためのスペースを作れる。
 
 チームにはボールスキルに優れる選手が少なくなく、彼らの距離感の近さから生まれる連動したコンビネーションは魅力ではあるが、サイド攻撃のさらなる充実化を図り、多様なアタックを実現させられれば、マレーシア戦でも多くのゴールが見られるはずだ。
 
ポイント3|最後も“ゼロ”で
 すでに先述したとおり、ここまでの2試合で日本は無失点のまま連勝を飾り、グループ首位に立っている。相手との実力差を冷静に判断すれば当然の結果かもしれないが、ベトナム戦は終盤に押し込まれるなどタフなゲームだっただけに、「焦れずにゼロで抑えられたのは良かった」(西野貴治)。
 
 基本的には、マレーシア戦も日本が主導権を握る展開が予想される。ボールを保持している状況なら失点の心配はまずないが、だからこそ守備陣は集中力をより研ぎ澄ます必要がある。
 
 改めてアジアでの戦いにおける留意点を西野に聞けば、「(ベトナム戦でも)どうしても日本が攻める時間が長くなるし、相手も守ってカウンターしか狙っていなかった。そういった意味では守備の部分で、リスク管理で集中を切らさずやることで失点は防げると思う」。
 
 ベトナム戦での脳震盪のため途中離脱した岩波拓也の不在は痛いが、残されたメンバーできっちりと最終戦もゼロで抑えて予選突破を決めたい。
 
  なお、マレーシア戦では引き分け以上、負けても1点差であれば日本の予選突破が決定する。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)